住宅ローン契約時・返済時に必要な諸費用を解説 保証料や手数料を抑えるには?

住宅ローンを利用するためには保証料などの諸費用が必要になります。近年ではこの諸費用も多様化し、またオプションの商品も多数登場していることから住宅ローン選びに大きな影響を与えています。諸費用の内容や金額を理解して、自分に合った住宅ローンを選ぶことが大切です。

1.住宅ローンの借入時・返済時にかかる諸費用とは


住宅ローンの借入れには、借入当初と返済期間中にさまざまな諸費用が必要になります。住宅ローンを選ぶ際には、借入金利だけでなく諸費用も考慮して選ぶ必要があります。

●保証料

保証料は保証会社に対して支払う費用です。住宅ローンの契約者が万一返済不能になった場合に保証会社が立替えて返済します。

保証料は融資額や返済年数によって異なり、住宅ローンの利用に関する費用としては最も負担が大きい費用となりやすいものです。

保証料は、住宅ローンの契約時に一括払いする方法と金利に上乗せして毎月の返済額に含める方法があり、どちらかを選択できる金融機関が増えてきました。前者を外枠方式といい、後者を内枠方式といいます。外枠方式の場合、返済期間中に一部繰上返済や完済すれば、残り期間に相当する保証料が返戻されます。それぞれのメリット・デメリットを理解して選びましょう。

●印紙税

印紙税は課税文書を作成したときにその文書に記載された金額等に応じて課税される税金で、収入印紙を購入して文書に貼付し消印することで納税したものとみなされます。住宅ローンに関する契約書も課税文書にあたるので、借入額に応じた印紙税を納付する必要があります。

 借入額  500万円超~1,000万円以下  印紙税1万円

       1,000万円超~5,000万円以下 印紙税2万円

       5,000万円超~1億円以下   印紙税6万円

       ※税額は2019年12月17日現在のものです

●団体信用生命保険料

団体信用生命保険(以下、団信)に加入する場合は保険料を支払う必要があります。金融機関では団信への加入を利用条件としていますが、一般的に保険料は金融機関が負担しています。フラット35では団信への加入は任意で、加入する場合保険料(正確にはフラット35の団信の場合「特約料」という)は金利に上乗せとなり返済額に含まれることになります。

●事務取扱手数料

住宅ローンを提供する金融機関に支払う手数料で、審査に必要な実費などに充てられ、その額は金融機関によって異なります。

事務取扱手数料の支払方法は、あらかじめ定められた額を支払う定額方式と融資額に対する一定割合を支払う定率方式があり、最近はどちらか選択できる金融機関が増えています。

●登記費用

住宅を建築・購入する際には所有権移転登記(新築物件の場合は所有権保存登記)、抵当権設定登記など、さまざまな登記が必要になります。登記の申請は通常司法書士が行います。そのため、登記手続きにかかる「登録免許税」と司法書士へ支払う手数料が発生します。

●火災保険料

返済終了までの間、借入対象となる住宅について、建物の火災による損害を補償対象とする火災保険に加入が必要です。保険金額は借入額以上で評価額以下(借入額が評価額を超える場合は評価額まで)とします。

●フラット35適合証明業務手数料

フラット35を利用する場合、フラット35の対象となる住宅は、機構が定めた技術基準を満たした住宅であることが条件となっていますが、これを証明するために適合証明機関や建築士等の適合証明技術者による建物の検査を行って「適合証明書」の発行を受けなければなりません。検査に適合しなかった場合この証明書は発行されません。この検査業務や証明書発行業務のための費用が必要になります。金額は検査事業者によって異なります。

なお機構に事前に登録されている中古マンションでは、この検査を簡素化することができます。

●条件変更手数料

住宅ローンの返済開始後に申請して契約内容を変更することを条件変更といいます。

条件変更の例としては以下のような項目があります。

① 返済期間を35年から25年に短縮する

② 返済方法を元金均等返済から元利均等返済に変更する(またはその逆)

③ ボーナス払い併用を毎月返済だけにする(またはその逆)

条件変更をする場合は金融機関に手数料を支払う必要があり、金額は金融機関によって異なります。条件変更の内容によっては、手数料の他に新しい契約書作成に必要な印紙代や追加保証料が必要になることがあります。

●繰上返済手数料

住宅ローンの返済期間中に手元資金を返済額に増額して支払うことを一部繰上返済といいます。また住宅ローン残高全額を一括で返済することを全額繰上返済といいます。一部繰上返済、全額繰上返済とも手数料が必要になることがあります。最近では一部繰上返済手数料が不要という金融機関が増えてきました。

2.住宅ローンの諸費用を抑えるポイント


●保証料や団信保険料が不要な金融機関を利用する

保証料の有無は金融機関によって異なります。金融機関が保証会社を必要としない場合などは保証料が不要となります。諸費用のうち多くを占める保証料が不要になれば、費用を抑えることができます。

団信は多くの場合、保険料は金融機関が負担します。またフラット35のように加入が任意の商品もありますが、団信に加入せず万一亡くなった場合には相続人に住宅ローン債務が残ってしまう可能性がありますので、よく検討しましょう。

近年では団信でカバーすることができない範囲を、オプションの保険でカバーできる「ガン団信」や「8大疾病保障」などの保険商品が販売されていますが、これらに加入する場合は別途保険料が必要になることがあります。保障内容を確認してから、本当に必要なオプションのみを利用するようにしましょう。

●頭金を増やして借入額を少なくする

住宅ローン契約に必要な諸費用には、借入金額に連動して増減する費用も多く見られます。頭金を増額すれば、借入金額を減らすことができるので諸費用を抑えることができます。また頭金の割合が多くなると借入金利の引下げを受けられることもあります。

3. まとめ~住宅ローン選びは総返済額だけでなく総支払額で~


以上で見てきたように住宅ローンの契約時と返済中にはさまざまな諸費用が必要になります。一般的に住宅ローンを選ぶ際には適用金利を重視すると思いますが、諸費用も相当額に及ぶので、こちらにも配慮する必要があります。

金利を基にして計算する返済額を返済期間中すべて合計した額を総返済額といいますが、住宅ローンを選ぶためには総返済額だけでなく諸費用の総額を足した総支払額でシミュレーションし比較・検討する必要があります。

タイトル

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  • 吉田 貴彦

    ㈱住宅相談センター 代表取締役

    立教大学法学部法学科卒。アメリカの不動産業界では一般的である、FPやモーゲージブローカー(住宅ローンコンサルタント)、ホームインスペクター(住宅診断士)などが用いる手法を15年以上前から取り入れて、お客さま側に立った住宅・不動産アドバイスを行っている。
    【保有資格】CFP®/公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/神社検定1級


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