【新築・中古】理想のマイホームを手に入れるまでの住宅購入の流れ

マイホームが一生でもっとも大きい買い物となるかたは多くいらっしゃるのではないでしょうか。また、初めてマイホームを購入されるかたにとっては、慣れない専門用語や手続きの連続に困惑されるかもしれません。マイホーム選びを安心してスムーズに行うためにはしっかりした準備が大切です。

今回は、公認不動産コンサルティングマスターの資格を持つ、株式会社住宅相談センターの吉田貴彦社長に、マイホームの選び方と購入の流れについて、お話を伺ってみました。

1.物件に関する情報収集


ご家族の希望に合ったマイホームを購入するためには事前の準備が大切です。まず、ここではマイホーム探しを始める前に準備しておきたいことをご紹介します。

1-1.理想のマイホームをイメージする

マイホームが欲しいと思ったら、最初に「そのマイホームでどんな暮らしをしたいのか」をイメージするとよいでしょう。

「木造か鉄骨か」や「一戸建てかマンションか」「何平方メートルの家か」という住宅構造といったものではなく、「新居でどんな生活がしたいか」をイメージし、それに合うマイホームはどのようなものかと考える方が、その後のマイホーム探しがスムーズになるでしょう。「広いキッチンで友人を集めて料理をつくりたい」や「庭でガーデニングに挑戦したい」など理想の暮らしをできるだけ多くイメージしてみましょう。

そのイメージができたら、次にその暮らしをするためにどこの地域がふさわしいか、どのような環境が求められるか、どの程度の広さが必要かなど具体的なイメージを広げていきましょう。

このように理想の暮らしイメージと住宅の条件をすり合わせていき、多くの希望条件が思い浮かんだら優先順位をつけておくとよいでしょう。この優先順位は物件探しの基準にもなります。複数の候補から迷った際に、優先順位をつけておくことで物件探しの手助けとなることがあります。

1-2.上記の条件を基に物件を探す

希望条件の整理ができたら物件探しをスタートしましょう。まずはインターネットや情報誌でご自身に合った物件を探します。その地域の住宅価格が予算に合っているか、環境や周辺の利便施設はどうかなども含めて徐々に条件を絞っていきます。

2.気になる物件は問合せ・見学してみる


住宅の情報はネットなどに数多くあふれていますが、実際に現地を見ると考えていたイメージとはまったく違うということもあります。気になる物件はぜひ現地を見学して確認しましょう。

2-1.気になる物件は直接見学して確認する

気になる物件を見つけたときは、実際に現地を見学して確認することが大切です。現地を見ることでご自身のこだわりや公開情報では気付かなかった条件を新しく発見することがあります。

また多くの物件を見学すると比較検討することができ、住宅価格の妥当性もイメージしやすくなるでしょう。

新築住宅を見学する場合は、直接モデルルームや現地内覧会などを訪れれば、担当者が物件について説明してくれることが一般的です。中古住宅を見学する場合は、物件情報を提供している不動産会社に見学の申込みをすれば担当者が案内してくれるでしょう。

2-2.見学で確認すべきチェックポイント

見学の際に確認すべきポイントは、新築住宅と中古住宅で異なる点がありますので注意しましょう。

2-2-1.新築住宅

新築住宅のモデルルームを見学するときに気をつけたいのは、見学するのはモデルルームであって実際に購入する住宅とは間取りや設備が違っている場合があるということです。見学の際は自分が検討している部屋の間取図を手元で見ながら、実際の部屋の広さなどがイメージと合っているのか確認するとよいでしょう。

またモデルルームの設備や内装は標準仕様ではなくオプション仕様になっていることがあります。その場合は標準仕様とオプション仕様が見分けられるように、印がついていることが多いので注意しながら見学しましょう。

2-2-2.中古住宅

中古住宅を見学する場合は、実際の部屋の広さはどうか、日中に訪れれば陽当たりの良し悪し、などを直に確認することができるというメリットがあります。

一方、人が暮らしている状態で見学する場合には、家具や家電・衣類などが置かれており壁や床・クローゼットなど見ることができない箇所もあります。また、汚れ具合や変色なども確認しておき、購入後のリフォーム工事などに役立てましょう。

最近ではホームインスペクションといって建物の傾きや雨漏れなどの欠陥を診断する有料のサービスも登場しています。売主の承諾を得られれば、こうしたサービスを利用するのもよいでしょう。

最後に見学のポイントとして、周辺環境の確認を忘れないようにしましょう。住宅の外観や室内を確認した後には、駅までの道のりや病院・スーパーなど周辺の施設、公園や学校など子供の教育に必要な施設など、できれば朝昼晩時間帯を変えて確認しておくと安心です。

3.購入の申込み


住宅購入の申込みは先着順というのが原則です。購入したい条件の住宅が出てきたときにあわてることにないように一般的な申込みの手順を理解しておきましょう。

3-1.購入したい物件が見つかったら、申込みをする

見学した結果、家族も含めて納得して購入したいと思える物件が見つかったら、買付申込書に購入価格・自己資金の有無・住宅ローン利用の有無・引渡し時期など購入の希望条件を書いて不動産会社の担当者に申込みます。この申込みに対して売主が合意すれば売買契約の手続きに進みます。

なお不動産の申込みは先着順が一般的なので、 疑問点などが解消され購入を決断したらなるべく早く申込むようにしましょう。

3-2.同時に住宅ローンの申込みと事前審査へ

最近は売買契約の手続きに入る前に住宅ローンの事前審査の申込みを勧める不動産会社もあります。売買契約を締結したにもかかわらず、住宅ローンの審査が通らない場合には、不動産の売買自体が白紙解除になる可能性があるためです。

後述しますが、不動産の売買契約は買主・売主ともに書類や手続きなどが煩雑ですが 、審査が通らない場合はそれらが無駄になってしまうことがあります。

事前審査のあとに本審査があり、「事前審査は通ったが本審査は通らなかった」というケースもありますが、事前審査が承認となった後に売買契約の手続きをすることが一般的のようです。

住宅ローンの事前審査申込みの前には、家計のシミュレーションを作って無理のない返済計画を立てるようにしましょう。

事前審査を申込む金融機関は、ご自身で探すほかに、不動産会社が提携している金融機関の住宅ローンを紹介される場合があります。これを提携ローンと言います。

提携ローンは不動産会社が扱う物件の審査があらかじめ終わっていることがあり、その場合には審査結果が早く出やすいというメリットがあります。提携ローンを取扱っているかは不動産会社や物件によって異なりますので、取扱いがある場合には不動産会社に詳しく聞いてみるといいでしょう。

住宅ローンをご自身で探す場合は、最近はインターネットで申込みができる金融機関も増えていますが、対面で相談ができる金融機関などもあって選択肢が多いので、数社に絞った段階で詳しい条件を聞くために実際に相談してみるとよいでしょう。

4.契約の締結


マイホーム購入のための売買契約書や重要事項説明書は専門用語が多く含まれています。不明な点を残したまま契約しないように手順を理解しておきましょう。

4-1.事前に契約書の内容や重要事項説明書を確認する

マイホーム購入の契約は不動産売買契約といわれ、一般的に新築住宅なら売主の不動産会社、中古住宅では仲介を担当する不動産会社が「売買契約書」を作成します。また不動産会社は法律で売買契約締結の前までに、物件に関する重要な事項が書かれた「重要事項説明書」の説明をしなければならないことになっています。

この2つの書類は建築基準法や都市計画法、民法などの法律をはじめ専門用語を使って書かれ、加えて大変多くの項目が並んでいるので、契約書を見慣れないかたがご自身の知識だけで理解することは難しいかもしれません。

あらかじめ書類の取寄せに対応している不動産会社もあります。分からない点や疑問点があった場合は事前に質問し説明を受けて、すべて理解したうえで契約に臨むようにしましょう。

4-2.契約書に署名する

一般的な不動産売買契約は次のような手順で進み、所要時間は1時間半から2時間程度かかります。

① 宅地建物取引士による重要事項説明書の説明

買主が内容を理解した後に重要事項説明書に署名押印します。

② 不動産売買契約書の読合せ

売主、買主双方が契約内容を了承した後に不動産売買契約書に署名押印します。

③ 手付金の授受

契約が成立した証として売買代金のうち一部の金額を買主から売主に支払うことが一般的です。これを手付金といいます。

④ 領収書の発行

売主は手付金の領収書を買主に発行します。

以上で売買契約が成立したことになります。

なお売買契約成立後に契約を解除する場合、売主から解除する場合は受領した手付金を買主に返還したうえにさらに同額を支払うことが売買契約書に定められていることが一般的で、買主から解除する場合は支払った手付金を放棄することで解除することができます。

また契約に違反すれば、契約書に定めた違約金を支払わなければならないので注意が必要です。

4-3.契約締結後、物件引渡しまでの流れ

売買契約締結後には、売主は買主への引渡しの準備を始めます。買主は住宅ローンの本申込みをして融資の承認を得た後に住宅ローン契約を金融機関と締結します。同時に引越しの手配をします。

すべての準備が整ったところで物件の引渡しと決済を行います。一般的な引渡し手続きは次のように行います。

  1. 司法書士による所有権移転登記申請手続きに必要な売主の書類の確認
  2. 司法書士による買主の住宅ローンの抵当権設定登記申請手続きに必要な書類の確認
  3. 住宅ローンの実行(金融機関から買主の口座に融資金が振込まれます)
  4. 買主から売主に売買代金から手付金を引いた残代金を支払う
  5. 売主から買主に残代金の領収書を発行
  6. 売主から買主に住宅の鍵の引渡し
  7. その他引渡しに必要な事務手続き

以上の手続きが終わると名実ともにマイホームを購入したことになります。

5.マイホーム探しは信頼できるパートナー探しから


ここまで見てきたようにマイホーム購入までの道のりは大変長く専門的な手続きの連続です。この長い道のりを理解したうえでマイホーム探しを始めるのとそうでないのとでは、費やす時間と労力に大きな差が出るでしょう。

また契約書には法律的な用語も多く使われ、住宅を購入するために、ある程度の知識や情報を収集することも必要でしょう。

しかし慣れないかたがご自身の力だけで、理想のマイホーム選びや購入手続きを行うのは難しいことかもしれません。できるだけ信頼のおける不動産会社や金融機関を見つけ出してマイホーム探しのパートナーとすることで、スムーズで安心安全なマイホーム探しを実現できるのではないでしょうか。

タイトル

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  • 吉田 貴彦

    ㈱住宅相談センター 代表取締役

    立教大学法学部法学科卒。アメリカの不動産業界では一般的である、FPやモーゲージブローカー(住宅ローンコンサルタント)、ホームインスペクター(住宅診断士)などが用いる手法を15年以上前から取り入れて、お客さま側に立った住宅・不動産アドバイスを行っている。
    【保有資格】CFP®/公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/神社検定1級


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