団体信用生命保険とは?住宅ローン契約者の万一の事態に備える保障

住宅ローンは高額な借入金を長期間にわたって定期的に返済するものです。利用者に万一のことがあったり健康上の問題で返済が滞ることのないよう、団体信用生命保険を利用することができます。団体信用生命保険は金融機関や住宅ローン商品によって加入が必須なのか任意なのか、保険料の負担はあるのかないのか、などの違いがあります。利用にあたっては十分理解しましょう。

1.住宅ローン契約時に加入する団体信用生命保険とは


死亡リスクや病気等のリスクから住宅ローンの返済をサポートする団体信用生命保険が用意されています。

●団体信用生命保険とは

住宅ローンの契約者が返済期間中に死亡または高度障害状態になったときに、ローンの残高が弁済される保険で、その後の返済が不要になります。通称「団信」と呼ばれています(以下、「団信」)。

民間金融機関の住宅ローンでは一般的に団信への加入を義務付けていますが、フラット35では加入は任意となっています。

近年では死亡や高度障害以外にも適用できる3大疾病保障や8大疾病保障、ガン団信など特約を付けて幅広い病気に対応した団信が登場しています。

●団信と一般的な生命保険の違い

団信と一般的な生命保険の違いは、保険料の負担の有無、性別や年齢別の保険料額、保険金の受取人、保険期間などにあります。

① 保険料の負担

金融機関の団信は保険料を金融機関が負担するので利用者は負担する必要はありませんが、フラット35の場合、団信の保険料は借入金利に上乗せされるので注意が必要です。一般的な生命保険の場合、保険料は契約者が負担します。

② 年齢別の保険料

団信は年齢に応じた保険料の違いはありませんが、一般的な生命保険は契約者の年齢によって保険料が異なります。

③ 保険金の受取人

団信で支払われる保険金の受取人は、住宅ローンを融資している金融機関になります。金融機関は受取った保険金で住宅ローンの残債を完済するので、契約者のその後の返済が不要になります。

一般的な生命保険の保険金は契約者が指定したかたが受取ります。

④ 保障期間

団信は住宅ローンの返済期間中保障が続きます。一般的な生命保険の保障期間は商品や契約によって異なります。

2.団信の主な保障内容


団信には特約を付けることによって多様な商品が登場しているので、それぞれ比較して自分に合った団信に加入するようにしましょう。

●特約なしの団信

特約なしの団信は契約者が死亡もしくは高度障害状態になったときに保険金が支払われるものです。高度障害状態とは生命保険会社が指定する所定の状態をいい、例えば両目の視力を失い回復の見込みがない場合は高度障害状態と認定される可能性があります。

●3大疾病保障付き団信

特約なしの団信に加えて、契約者がガン、脳卒中、急性心筋梗塞のいずれかを発症し、所定の状態になった場合に保険金が支払われる保険です。

支払条件は金融機関や商品によって異なっています。例えば住宅金融支援機構の団信では、「上皮内がんや皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんを除き、保障開始日から91日以上経過してからはじめてガンと医師から診断されたとき」「脳卒中で医師から診療を受けた日を含めて60日以上神経学的後遺症が継続したと、医師が診断したとき」「急性心筋梗塞で医師から診療を受けた日を含めて60日以上いかなる業務にも従事できなかったと、医師が診断したとき」などは、保障の対象となる可能性があります。

●8大疾病保障付き団信

3大疾病に加えて高血圧症、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全、慢性膵炎といった生活習慣病を含む8つの病気のいずれかを発症し、就業不能により住宅ローンの返済ができない状態が所定の期間を超えて続いた場合に保険金が支払われます。弁済対象となる病気や条件は金融機関や商品によって異なります。

3.団信に加入するときの注意点


●健康状態を告知する

健康状態によっては団信に加入できない可能性があるので注意が必要です。

●団信の保険料は生命保険料控除の対象とならない

団信は保険金の受取人が金融機関や住宅金融支援機構となっているため生命保険料控除の対象となりませんが、一般的な生命保険は受取人が本人または配偶者その他の親族になっているため、確定申告や年末調整のときに生命保険料控除の対象になります。

●借換時には新たに団信への加入が必要

住宅ローンの借換えを行う場合、従来の住宅ローンに付帯していた団信の契約は終了しますので、借換先の金融機関の住宅ローンに付帯する新たな団信に加入することになります。借換えを契機に特約内容を見直す人も多いようです。

借換時に注意しなければならないのは、借換先の金融機関が団信加入を条件としている場合、契約者の健康状態によっては新たな団信への加入が認められないことがある点です。この場合は借換自体ができないので注意が必要です。

●解約後には再加入できない

特約付団信は一旦解約してしまうと再加入することは原則としてできません。

4.多様化する団信の注意点


多様化している団信ですが、団信の保障内容とご自身が加入している生命保険と保障内容が重複していないか確認することが大切です。場合によっては、重複している部分を見直して、家計を改善できる可能性もあります。住宅ローンを借入れる時期に、同時に保険と家計を見直すことが重要だと言えるでしょう。

最近では、住宅ローンを取扱う金融機関が保険の見直し相談も受け付けているところが増えています。住宅ローンとあわせて保険のことも相談してみるのも選択肢のひとつです。

タイトル

タイトル
  • 吉田 貴彦

    ㈱住宅相談センター 代表取締役

    立教大学法学部法学科卒。アメリカの不動産業界では一般的である、FPやモーゲージブローカー(住宅ローンコンサルタント)、ホームインスペクター(住宅診断士)などが用いる手法を15年以上前から取り入れて、お客さま側に立った住宅・不動産アドバイスを行っている。
    【保有資格】CFP®/公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/神社検定1級


店舗で相談!住宅ローンのお悩み不安解消 お近くの店舗をチェック 税制メリットRobo画像