約4割が節約志向? 新型コロナ流行で変わった、お金に対する意識などを調査

新型コロナウイルスの蔓延により生活様式が一変したと言われる昨今、皆さまの「お金との向き合い方」には変化はありましたか? このタイミングで「家計の無駄を見直した」、「いざという時に備えて貯蓄を増やした」、「副業をスタートした」など、お金とどう向き合っていくのか、改めて考えたかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

2021年3月から4月にかけて、全国の世帯年収600万円以上のかた1,000人を対象に、お金に対する意識調査を行いました。新型コロナウイルスの影響でどのようにお金の意識が変化したかなど興味深い回答もあり、「何か取り組みをスタートしたいけれど、何から手をつけたら良いか迷っている」といったかたの参考になれば幸いです。

それではアンケート結果を見ていきましょう。

1.定期預金、NISA、ふるさと納税など…今まで取り組んだことがある商品や制度は?


まず前提として、回答者がこれまでに取り組んだことのある金融商品や制度について見ていきましょう。

【これまで経験したことのある、お金にまつわる制度・商品をお選びください。(複数回答)】

最も回答者が多かったのが「定期預金(65.7%)」で、続いて「生命保険(57.6%)」、「株式(45.2%)」が続いており、株式等の投資経験者も一定程度いらっしゃることがわかります。日本証券業協会が2018年に20歳以上の男女に対して調査(※1)したところ、株式の保有率は12.6%でしたので、今回のアンケートでは比較的投資に関心の高い皆さまからの回答を得られたと言えるでしょう。

※1 日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」

「定期預金」は、大手金融機関の定期預金の金利が年0.002%程度(※2)という近年の状況でも、資産形成方法として相対的に利用経験者が多いことが伺えます。

※2 都市銀行のスーパー定期(2021年6月時点)の金利

続く「生命保険」には、病気や死亡など万が一に備えるもの、個人年金や学資保険などのお金を貯めるものの双方が含まれていますが、6割近くのかたが保障や貯蓄において活用している、我々にとって身近な金融商品であると言えます。

その次に多かった回答には「株式」が選ばれていますが、その他の資産運用関連の商品を見てみると、7番目「投資信託(31.4%)」、10番目「債券(13.1%)」、11番目「不動産投資(8.5%)」という結果でした。また、NISA(少額投資非課税制度、株式や投資信託の運用で利益が出た場合に、利益が非課税になる制度)の経験者は24.0%で、全体で約4人に1人はNISAを活用している、または過去にしていたことになります。NISAやつみたてNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)など少額からでも資産運用をスタートできる制度が、回答者の資産運用を後押ししていることが伺えます。

また、他に回答として多かったのが「ポイ活(ポイント活動)44.3%」、「ふるさと納税(24.7%)」です。ポイ活は、クレジットカードの利用などでもらえる「ポイント」に着目した取り組みで、貯めたポイントは買い物や食事などの場面だけでなく、投資に利用できるサービスも登場しています。また、近年急激に普及したQRコードなどのキャッシュレス決済によるポイント還元を利用して、気軽にスタートするかたが増えているのではないでしょうか。これを年代別に見ると20代の割合が61.5%、続いて30代が51.3%となっており、若年層から支持を集めていることがわかります。反対に「株式」や「不動産投資」では、50代・60代以上となるほど経験者の割合が高くなります。

これらの他では、「ふるさと納税」は、年代ごとの差があまりなく、広く取り組まれていることが分かる結果となりました。

【年代別:これまで経験したことのある、お金にまつわる制度・商品をお選びください。(複数回答)】

※「これまで経験したことのある、お金にまつわる制度・商品をお選びください。(複数回答)」の年代別回答結果の全データは、記事末尾をご参照ください。

2.新型コロナウイルスの流行でどう変わった?「お金に対する意識」


次に、新型コロナウイルスが皆さまの「お金に対する意識」にどのような影響を与えたのか見ていきましょう。

【新型コロナウイルス流行前に比べて、お金に対する意識は変わりましたか?(複数回答)】

この設問で「特に変わらない」と回答した全体の50%以外のかたは何らかの意識の変化があったと思われます。このうち、一番多かったのが「支出を抑えるようになった(35.0%)」、次に「貯蓄を増やすようにした(20.6%)」という結果でした(複数回答)。

調査の行われた2021年3月~4月時点では、新型コロナウイルスの収束が見えない中、先行きに不安を感じるかたが少なくなかったようです。支出を抑えるかたや、なるべく資金を貯蓄に向けるかたが多いことが見受けられます。「投資を始めた(6.9%)」、「副業を始めた(3.5%)」といった意見もありますが、全体のおよそ約4割程度のかたが、新型コロナウイルスの影響で節約志向が高まったと言えそうです。

このような傾向は、次の「自由に使えるお金として100万円あったら、何に使いたいですか?」という質問の回答にも顕著に見られました。

【自由に使えるお金として100万円あったら、何に使いたいですか?(複数回答)

全体で最も多かった回答は「預貯金(52.8%)」で、ここでも守りの意識がかなり強く出ていることが分かります。また、投資についても全年代で「ローリスク・ローリターンの投資」が「ハイリスク・ハイリターンの投資」を上回り、たとえ自由に使えるお金であっても、慎重な姿勢を示すかたが多いようです。

3.新年度がスタートするタイミングで挑戦したい「お金に関すること」とは?


このアンケートが実施された2021年3月~4月は、ちょうど新年度がスタートしようという区切りの時期でしたが、このタイミングで挑戦したいことについて伺いました。

【新年度から始めたい、お金に関することをお選びください(複数回答)】

約半数の人が「貯蓄、投資、保険などに関する新しい取り組みをスタートしたいと考えているようです。中でも、「貯蓄に関すること(36.4%)」、「投資に関すること(31.7%)」を挙げたかたが相対的に多くいらっしゃいました(複数回答)。

まず「貯蓄」に関して詳しい内訳を見てみましょう。

【♯1 貯蓄に関して新年度から新たに始めたいことはありますか?(複数回答)】

「目標金額を貯める」が最も多い35.2%、続いて「定期的な積立(29.0%)」、「ポイ活(21.9%)」となりました。この中には、「毎月いくら」「ボーナスの何割」などの目標を決めて、貯蓄を習慣化したいと考えているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

続いて「投資」に関する詳しい内訳です。

【♯2 投資に関して新年度から新たに始めたいことはありますか?(複数回答)】

新年度から新たに投資を始めたいとお考えのかたの中では、「株式(18.0%)」、「投資信託(12.1%)」との回答が多くなりました。老後資金に必要な金額が2,000万円とされるデータが示されたことなどをきっかけに、将来的な資産形成に問題意識を持つかたは少なくないのではないでしょうか。

次に「保険」に関して内訳を見てみましょう。

【♯3 保険に関して新年度から新たに始めたいことはありますか?(複数回答)】

新年度から保険を始めたいとお考えのかたの中では、「医療保険の加入・見直し(18.6%)」、「死亡保険の加入・見直し(14.6%)」との回答が多くなりました。2021年4月は新年度の始まりに加えてコロナ禍という特別な状況でしたが、あらためてご自身の健康や保障について考える機会となったというかたも少なからずいたようです。

最後に、これらのお金に関する取り組みについて、新年度に挑戦してみたいと思った理由を伺いました。

【♯1~♯3で答えた項目について、始めたい理由、きっかけは何ですか?(複数回答)】

「以前から考えていた」が最も多い60.4%で、「始めるきっかけ」を探しているかたが多いことが伺えます。また、若い世代ほどSNSを情報源として、お金に関することを検討する割合が多い点が特徴的と言えそうです。

いかがでしたでしょうか。今回は「コロナ禍」「新年度」というキーワードで、お金に対する意識や取り組みについてアンケート結果をもとに考察しました。普段なかなか他のかたがどんな取り組みをしているのか知る機会が少ないお金のこと。この機会に改めてご自身の今の取り組みを振り返ってみるのはいかがでしょうか。

参考【年代別:これまで経験したことのある、お金にまつわる制度・商品をお選びください(複数回答)】

<お金にまつわる新年度から新たに始めたいこと>

調査会社:株式会社CINC

調査期間:2021年3月~2021年4月

調査対象:世帯年収600万円以上で、22歳以上 77歳以下の男女1,000人

調査方法:インターネット

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