【初心者向け】おすすめの資産運用を状況別に紹介|長期・分散・積立で始めよう

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  • 松井大輔

  • 株式会社400F 松井大輔

    1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / CFP® / 証券外務員一種


2026年4月現在、長らく続いた超低金利環境は徐々に変化してきていますが、金利上昇を上回る物価高で、「預貯金だけでは将来が不安」と感じているかたも多いのではないでしょうか。

現金をそのまま保有しているだけでは資産が増えにくく、実質的な価値が目減りする可能性があります。そのため、資産運用は誰にとっても必要な時代となりつつあります。

しかし、資産運用には価格変動などのリスクがあり、「これさえ選べば安心」という方法はありません。年齢や収入、目的、リスク許容度など、個人の価値観や考え方によってもおすすめの資産運用の方法は異なります。

そこで本記事では、資産運用の基本から初心者でも取り組みやすい具体的な方法、さらに自分に合った運用方法の選び方のポイントまでわかりやすく解説します。

松井大輔

2026年という変化の激しい時代、預金だけに頼るリスクを正しく理解し、投資を味方につけることが必要です。

一攫千金を狙わず「長期・分散・積立」という資産運用の王道を歩むこと。NISAなどの有利な制度を活用し、自分のリスク許容度の範囲内でコツコツと継続することが大切です。

資産運用を難しく感じるかもしれませんが、最初は誰でも初心者です。まずは少額から始め、経験することで自分に合ったスタイルを見つけてください。投資は怖いものではなく、計画的に行えば未来を豊かにする確かな手段となります。一歩踏み出す勇気が、数十年後の大きな差に繋がります。

1.資産運用とは?初心者向けに分かりやすく解説


資産運用とは、預貯金や株式、投資信託などに資金を振り分け、将来に向けて計画的に資産を増やしていく取り組みを指します。

日本では、1999年のゼロ金利政策導入から低金利の状況が続いていましたが、2024年3月から日銀が利上げを開始したことで長らく続いた超低金利は徐々に変化してきています。しかし、それでもまだ銀行などの預貯金だけでは大きな利息を期待しにくい環境にあります。

また、将来的に物価が上昇するインフレ(インフレーション)が発生すると、同じ金額でも買える商品やサービスの量が減るため、現金の実質的な価値が目減りしてしまいます。

そのため、将来の生活資金や老後資金の準備を見据え、多くのかたにとって資産運用の検討が必要な時代となっています。

松井大輔

資産運用はただお金を増やすだけでなく、インフレから資産を守る防衛の側面もあります。2026年現在は物価上昇が続いており、預金だけでは実質的な価値が目減りしかねません。貯蓄で生活を守り、投資で成長させる。この2つの役割を理解し、バランス良く組み合わせることが本来の資産運用です。

1-1.資産運用と預貯金の違い

一般的に、預貯金と資産運用は、目的や役割が大きく異なるといわれています。

預貯金は生活費や万一の出費に備えて資金を「守る」手段であり、元本の安全性を重視する方法です。

一方、資産運用は将来に向けて資産を「育てる」ことを目的とし、時間をかけて少しずつ増やすことを目指します。

物価が継続的に上昇するインフレが進むと、金額は変わらなくても買える商品やサービスの量が減るため、現金をそのまま保有しているだけでは実質的な価値が目減りする可能性があります。

そこで重要になるのが、インフレに備えた資産運用という考え方です。株式や投資信託、不動産などの資産は、企業の成長や経済活動の拡大に伴い価値が上昇することが期待されます。

また、物価が上がる局面では、企業の売上や利益も増加する傾向があるため、結果として株価や分配金に反映される可能性があります。

インフレが続く環境では、資産運用を通じてお金にも働いてもらう視点を持つことが、将来の生活水準を守るための有効な手段と考えられます。

1-2.資産運用のリスク

資産運用を始めるうえで必ず理解しておきたいのが「リスク」の考え方です。

株式や投資信託などの金融商品には元本保証がなく、市場環境や経済状況によって価格が変動するため、購入時より評価額が下がって損失が発生する可能性もあります。

ただし、リスクとは単に「危険」という意味ではありません。投資の世界でいうリスクとは「価格の振れ幅」のことで、価格が上下に変動する可能性があることを指します。資産が値下がりする可能性がある一方、運用によって資産が値上がりする可能性があることを、投資の世界では「リスク」という言葉で表しています。

資産運用に継続して取り組むうえでは、リスクの意味を正しく理解し、長期・分散・積立を基本とする考え方を持つことが大切です。

2.資産運用の3つの基本


資産運用にはさまざまな金融商品や制度があり、何を選べばよいのか迷うかたも多いでしょう。

判断に迷ったときに立ち返りたいのが、「長期・分散・積立」という資産運用における3つの基本の考え方です。

短期間で大きな利益を狙うのは値動きの影響を受けやすく、不安や焦りにつながるケースが多く、場合によっては損失が発生する可能性も考えられます。

一方、長い時間をかけて資産を育て、複数の資産に分け、一定額を継続して投資する方法は、価格変動の影響をやわらげながら着実に資産運用を進めやすくなります。

2-1.長期:時間を味方につけて資産を育てる

資産運用は、数ヵ月や1年といった短期間で大きな成果を出すことを前提とした取り組みではありません。

株式や投資信託などの価格は日々変動しますが、短い期間だけを見ると上がったり下がったりを繰り返します。

そのため、短期的な値動きに注目しすぎると、不安になって売却してしまうこともあります。

一方、長い期間にわたって保有を続けることで、景気や市場の波をならしやすくなり、価格変動の影響を受けにくくなります。

さらに、得られた利益を再び投資に回すことで、利益が新たな利益を生む「複利」の効果を活かしやすくなります。

複利とは、得られた利益を元本に組み入れ、その合計額をもとに次の利益を計算する仕組みです。一方、元本に対して常に一定の金利で計算することを「単利」といいます。

例えば、100万円を年5%で運用すると、1年後には5万円の利益が生じます。単利の場合は元本に対して常に一定の金利で計算されるため、2年後も5万円、3年後も5万円の利益が得られる計算です。

一方、複利では、1年後には5万円の利益が得られますが、2年後は1年後の利益分5万円を含めた105万円をその年の元本として運用します。

その結果、2年目は105万円に対して5%の利益が計算され、単利の場合と比べて利益がさらに増えていく結果となります。

このように、利益が利益を生むことで、時間が経つほど増え方が大きくなる点が複利の特徴です。複利効果を積極的に活用することが、長期運用の原則となるので覚えておきましょう。

2-2.分散:リスクを抑えるために投資先を分ける

資産運用の世界には、「卵はひとつのカゴに盛るな」という格言があります。卵をひとつのカゴにまとめて入れてしまうと、落としたときにすべての卵が割れてしまう可能性が考えられます。

資産運用も同様で、資金をひとつの資産や銘柄に集中させると、その価格が下落した場合に資産全体へ大きな影響が及びます。

こうしたリスクをやわらげる方法が分散投資で、大きく分けると3つの考え方があります。

分散投資の3つの考え方

  • 株式・債券・不動産など異なる値動きをする資産に分ける「資産の分散」
  • 日本と海外など異なる地域に資産を分ける「地域の分散」
  • 複数の銘柄や投資信託に分ける「商品の分散」

分散は安定した資産運用のための基本的な考え方で、値動きの要因が異なる投資先を組み合わせることで、資産全体の価格変動リスクを抑えやすくなります。

2-3.積立:タイミングに悩まず継続する

資産運用に取り組むなかで、多くのかたが迷うのが「果たして今は買い時なのか?」という判断です。

感情に左右されると、価格が高いと感じれば様子を見たくなり、価格が下がったときにはさらに下がるのではないかと不安になることもあります。

こうした迷いを減らす方法が、一定額を定期的に運用へ回す積立投資という方法です。

積立投資では、価格が高いときも安いときも常に同じ金額で購入(投資)を続けます。そうすることで、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入する形となります。

この方法は「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、一定金額を投資に回し続けることで平均購入単価が平準化されやすくなり、高値を掴むリスクを抑える効果が期待できます。

また、相場のタイミングを読み続ける必要がないため、初心者のかたでも継続しやすい運用方法といえます。

ただし、資産運用に絶対の正解はなく、「長期・分散・積立」でも価格が下がる局面は起こり得るため、その点は誤解しないように注意しましょう。

3【状況別】初心者におすすめの資産運用方法


一口に資産運用といっても、選択肢はひとつではありません。個人の価値観や考え方など、その人ごとに適した資産運用の方法は異なります。

大切なのは「何が一番儲かるか」ではなく、「どの手段が自分に合っているか」という視点で資産運用の方法を選ぶことです。

ここでは、初心者のかたでも取り組みやすい代表的な資産運用の方法について紹介します。ご自身の状況と照らし合わせながら、資産運用を始める際の参考にしてください。

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誰にでも、どんな状況のかたにも合う資産運用の方法はありません。「儲かりそうだから」という理由だけで商品を選ぶのは危険です。自分のライフプランと照らし合わせて、状況や目的に合った商品選びを心がけてください。

■これから資産運用に取り組むかた向け

これから資産運用に取り組むかたは、NISAやiDeCoなどの非課税制度を活用するところから始めてみましょう。

NISA(少額投資非課税制度)とは、年間で最大360万円(成長投資枠240万円・つみたて投資枠120万円)、生涯で最大1,800万円までの投資枠が設けられており、その範囲内で得た運用益や配当金が非課税となる国が設けた制度です。

通常の投資では、運用益に20.315%の税金がかかります(2026年4月時点)。例えば、10万円の利益が出た場合、本来は約2万円が税金として差し引かれてしまいますが、NISA口座であれば10万円の利益をそのまま受け取れます。

一方、iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後の資金づくりを目的とした私的年金制度で、原則として60歳になるまで投資(拠出)した資産を引き出すことはできませんが、掛金が全額所得控除の対象となります。

例えば、毎月2万円を拠出した場合、年間24万円が所得控除の対象となり、税負担の軽減につながります。NISAと同様に運用益も非課税で、資産を受け取る際も大きな所得控除があります。

税負担を軽減できる制度を活用することは、投資初心者のかたにとって効率よく資産運用を進める第一歩となります。

■すでにNISAを活用しているかた向け

すでにNISAを活用しているというかたは、相性が良いインデックス投資信託やETFを検討するのがおすすめです。

インデックス投資信託は、日経平均株価やTOPIX、S&P500などの指数と同じ値動きを目指す仕組みの金融商品(投資信託)です。

1本の投資信託で数十から数百の銘柄に分散投資ができ、月数千円程度の少額から購入できる商品も多いため、投資初心者のかたにも向いています。

一方、ETFは証券取引所に上場している投資信託で、株式と同じように売買できます。いずれも比較的低コストの商品が多く、長期で保有するほどコストの差分が運用成果に影響します。

また、NISAでは運用益が非課税となるため、分散・低コスト・長期投資といったインデックス運用の考え方と相性が良い点が魅力です。

■リスクを抑えることを優先したいかた向け

特に価格変動が不安なかたは、「個人向け国債」や「J-REIT」など、比較的値動きを抑えやすい資産を組み合わせる方法もおすすめです。

個人向け国債とは、国が個人向けに発行する債券の名称で、変動10年・固定5年・固定3年の3種類があります。

元本割れのリスクが極めて低く、定期的に利子を受け取れる仕組みです。預貯金より利回りが高い場合もあり、安定性を重視したいかたに向いています。

一方、J-REITは不動産に投資する金融商品で、賃料収入などを原資とした分配金を期待できます。株式とは異なる値動きをする傾向があるため、分散投資の一環として活用しやすい点が特徴です。

ただし、これらの金融商品も価格変動や金利の影響は受けるため、資産全体のバランスを考え、預貯金との組み合わせを意識することを心がけましょう。

4資産運用初心者にNISAをおすすめする理由


先述のとおり、NISAは国が設けた非課税制度で、運用で得た利益が一定額まで非課税となります。

これから投資を始める初心者のかたに、NISAを活用した資産運用をおすすめする理由は以下の2点です。

  • 運用益が非課税のため長期の資産運用に向いているから
  • インデックス投資信託を活用しやすい制度だから

それぞれの理由について解説するので、NISAの活用を検討中のかたや迷っているかたは、ぜひ参考にしてください。

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NISAは運用の手取りを最大化する最強の制度です。通常、利益には約20%の税金がかかりますが、NISAなら全額が手元に残ります。この差は数十年で数百万円の開きになることも。2026年現在、NISA制度の普及も進み、より使いやすくなっています。投資を始めるなら、まずNISA口座の活用を検討すべきでしょう。

4-1.運用益が非課税のため長期の資産運用に向いているから

資産運用を始める際に「まずはNISAで積立投資から」と考えるかたが多い背景には、制度のわかりやすさと商品の選びやすさがあります。

NISAの大きな特徴は、一定の投資枠内で得た運用益や配当金に税金がかからない仕組みです。

通常、株式や投資信託の売却益や分配金には20.315%の税金がかかります(2026年4月時点)が、NISA口座で運用した場合は非課税となります。

例えば、10万円の利益が出た場合、本来であれば約2万円が税金として差し引かれますが、NISA制度を活用すると利益が非課税となるため、そのまま全額の利益を受け取ることが可能です(手数料考慮せず)。

この税負担の差は、運用期間が長くなるほど大きくなるため、長期でコツコツと資産を育てていく方法と相性が良い制度といえます。

さらに、得られた利益を再び投資に回すことで複利の効果を活かしやすくなり、税金が差し引かれない分だけ資産の増加スピードにも差が生まれやすくなります。

また、NISAは長期・積立投資を前提とした制度設計となっているため、投資初心者のかたでも取り組みやすく、資産運用を継続しやすい点も魅力です。

4-2.インデックス投資信託を活用しやすい制度だから

NISAは、インデックス投資信託を活用しやすい制度としても注目されています。

インデックス投資信託は、日経平均株価やTOPIX、S&P500などの指数と同じ値動きを目指す商品で、1本で幅広い銘柄に分散投資できる点が特徴です。

1本の投資信託を購入するだけで複数の企業や地域に分けて投資できるため、特定の銘柄に偏るリスクを抑えやすく、初心者のかたでも取り組みやすい方法といえます。

また、インデックス投資信託はほかに比べて信託報酬が低い商品も多く、長期で保有するほどコスト差が運用成果に大きく影響します。

NISAは長期・積立投資と組み合わせやすい制度であるため、低コストで分散投資を行うという考え方と相性が良いといえます。

非課税というメリットに加え、分散・低コスト・積立という基本を実践しやすい点が、NISAが初心者のかたに選ばれる理由となっています。

5.初心者が資産運用で失敗しやすいポイント


初心者が資産運用で失敗しやすいポイントを解説します。これから資産運用を始めようと考えているかたは参考にしてみてください。

初心者が資産運用で失敗しやすいポイント

  • 短期間で結果を出そうとする
  • 値動きに振り回され売買を繰り返してしまう
  • 特定の商品・資産に資金を集中させてしまう
  • よく分かっていないまま始めてしまう
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最大の失敗は、短期的な下落でパニックになり売却することです。市場は波打つものであり、一時的なマイナスは想定内。また、SNS等の不確定情報に飛びつくのも危険です。信頼できる統計や歴史に基づいたインデックス投資などを軸に据え、感情に左右されない仕組み作りをすることが、失敗を避けるコツです。

5-1.短期間で結果を出そうとする

資産運用を始めたばかりのかたは、「できるだけ早く資産を増やしたい」という考えから、短期間で成果を求めてしまう傾向があります。

SNSやニュースで大きな利益を得た事例を見ると、「自分も同じように利益を出せるのではないか」と期待してしまうこともあるでしょう。

しかし、資産運用は本来、時間をかけてじっくりと資産を育てる取り組みです。短期の値動きはプロのトレーダーでも予測が難しく、思惑とは反対に相場が動くことも珍しくありません。

失敗を防ぐためには、あらかじめ運用期間を長期で設定し、目標額や目的を明確にしておくことが大切です。目先の値動きに囚われず、長期・分散・積立の方針を変えないことを心がけましょう。

5-2.値動きに振り回され売買を繰り返してしまう

資産運用を始めたばかりのかたの多くは、価格が上がると買いたくなり、下がると不安になって売ってしまうといった行動に走りがちです。

相場の変動に対して感情が先行し、計画性のない売買を繰り返すことで、結果的に利益を逃したり損失を確定させたりしてしまいます。

こうした失敗を防ぐためには、事前に投資方針を決めておくことが大切です。

例えば、積立投資を活用し、一定額を継続して投資する方法であれば、自分で売買のタイミングを判断する負担を軽減できます。

感情に振り回されるのではなく、あらかじめ設定したルールに基づいて行動することが、安定した資産形成につながります。

5-3.特定の商品・資産に資金を集中させてしまう

話題になっている銘柄や、身近でよく知っている企業に資金を集中させてしまうことも、初心者が陥る失敗しやすいポイントです。

ひとつの商品に偏ると、その価格が下落した場合に資産全体へ大きな影響が及びます。分散投資の重要性を理解せずに集中投資を行うと、想定以上の損失を抱える可能性があります。

対処法としては、「株式だけでなく債券や不動産など複数の資産に分ける」、「国内外に投資先を広げる」、「複数の銘柄やファンドを組み合わせる」などが挙げられます。

インデックス投資信託を活用すると、比較的少額で幅広い分散投資が可能です。資産全体のバランスを意識することが、長く続けられる運用につながります。

5-4.よく分かっていないまま始めてしまう

資産運用を始めるきっかけが「周囲が始めているから」、「話題になっているから」という理由だけの場合、商品や制度の仕組みを十分に理解しないまま資産を投資してしまうことがあります。

内容を理解しないままに金融商品を購入すると、値下がりした際に冷静な判断ができず、損失が発生した不安から短期売買を繰り返してしまう可能性が考えられます。

資産運用には、元本保証の有無・価格変動の仕組み・手数料・税制など、押さえておくべきポイントがあります。

一切の勉強なしに資産運用で利益を得続けることは難しいため、少額から投資の経験を積みながら、資産運用の知識を身に着けるための勉強にも取り組みましょう。

6.資産運用はいつから・いくらから始めるべき?


資産運用に関心を持ったとき、多くのかたが最初に悩むのが「始めるタイミング」と「必要な金額」です。

相場が良いときまで待つべきか、ある程度まとまった資金がないと難しいのではないかと迷い、なかなか行動に移せないこともあります。

しかし、資産運用は特別なかただけの取り組みではありません。大切なのは、完璧なタイミングや理想的な金額を探すことではなく、ご自身の状況に合った形で無理なく始められるかどうかです。

ここでは、資産運用を始めるタイミングや金額の目安について解説します。

6-1.始めどきは「思い立ったとき」

資産運用を始める時期に明確な正解はありませんが、多くのかたにとっての始めどきは「資産運用の必要性を感じたとき」です。

景気や相場の動きを完全に予測することは難しく、「もっと下がってから」、「もう少し様子を見てから」と考えているうちに時間が過ぎてしまうこともあります。

資産運用は長い時間を味方につけてお金にも働いてもらう取り組みであるため、早く始めるほど長期の効果を活かしやすくなります。

完璧なタイミングを探すよりも、資産運用の基本を理解したうえで少額からコツコツと取り組み続けることが大切です。

将来に備えたいと考えたその瞬間が、ご自身にとっての最適なスタートといえます。迷っているかたほど、まずは資産運用の仕組みを学んで、行動に移すことを心がけましょう。

6-2.少額からでも十分意味がある

資産運用は、「まとまったお金がないと始められないのではないか」と不安に感じるかたも多いですが、現在は少額から始められる商品や制度が整備されています。

資産運用の方法としておすすめされる長期・積立の考え方は、少額からでも実践できます。

例えば、投資信託であれば月数千円から積み立てられる場合もあり、金融機関によっては100円からの積立投資を始められることもあります。

少額であっても、長期間継続すれば複利の効果が働き、時間とともに資産を育てることができ、無理のない範囲で経験を積むことが可能です。

また、少額で始めることで値動きに慣れやすく、心理的な負担を抑えられる点も大きなメリットです。

6-3.「いくらから始めるか」より「続けられる金額か」が重要

資産運用を始める際に大切なのは、初期金額の大きさよりも、途中でやめることなく運用を継続できるかどうかです。

生活費や緊急資金を確保しないまま無理に投資額を増やすと、万一の出費が生じた際に解約(売却)を余儀なくされる可能性があります。

途中で解約したり引き出したりしてしまうと、長期運用の効果を十分に活かせません。あらかじめ家計を見直し、毎月無理なく積み立てられる金額を設定することが大切です。

資産運用でおすすめされる方法の多くは、長期運用を前提としています。背伸びをせず、ご自身の生活に合った金額で資産運用に取り組むことが、安定した資産形成への近道です。

7.資産運用に関するよくある質問Q&A


最後に、資産運用に関するよくある質問に回答します。

Q. 資産運用は本当にやった方がいいですか?

A. 将来に備えて資産の目減りを防ぎたいと考えるかたにとって、資産運用は有力な選択肢のひとつです。

低金利や物価上昇の影響により、預貯金だけでは実質的な価値が目減りする可能性があります。

資産運用はリスクを伴いますが、長期・分散・積立を基本にすれば、将来に向けた資金づくりの手段として活用できます。

生活防衛資金を確保したうえで、ご自身の目的に合った方法を検討することが大切です。

Q. NISAとiDeCoはどちらを優先すべきですか?

A. まずはNISAを活用し、余裕があれば老後資金づくりとしてiDeCoを検討する方法がおすすめです。

NISAは非課税で運用でき、運用中の引き出しも可能なため柔軟に活用できます。一方、iDeCoは原則60歳まで資産を引き出せませんが、税制面で大きなメリットがあります。

目的や資金拘束の許容度に応じて選ぶことが重要です。

Q. 資産運用で元本割れすることはありますか?

A. 元本保証ではない金融商品では、元本割れが生じる可能性があります。

価格は市場環境によって変動するため、評価額が購入時を下回る局面もあるでしょう。

ただし、長期・分散・積立を基本にすることで、変動の影響を抑えやすくなります。リスクの性質を理解したうえで取り組むことが大切です。

8. まとめ


資産運用は、特別なかただけが行うものではなく、将来に備えるための現実的な選択肢のひとつです。

低金利や物価上昇が続くなかで、預貯金だけに頼るのではなく、お金にも働いてもらう視点が重要になっています。

ただし、資産運用に絶対の正解はありません。大切なのは、長期・分散・積立という基本を押さえたうえで、ご自身の目的やリスク許容度に合った方法を選ぶことです。

NISAなどの制度を活用し、少額から無理なく始めることで初心者のかたでも着実に経験を積み、堅実な成果を期待することができます。

まずは資産運用の仕組みを理解し、基本に忠実に取り組むことが、安定した資産運用への近道です。ご自身に合った方法を選び、将来に向けた準備を今日から始めてみてはいかがでしょうか。

  • 投資には価格変動等のリスクがあり、元本割れとなる場合があります。
  • 過去の実績やシミュレーション結果は将来の成果を保証するものではありません。
  • 本資料・記事は執筆時点の法令・通達等に基づいて作成しています。今後の法改正等により法令・通達等が変更される可能性があります。
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  • 個別の税務判断や納税申告に関しては、税務署・税理士などの専門家にご相談ください。

この記事の監修者

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  • 松井大輔

  • 株式会社400F 松井大輔

    1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / CFP® / 証券外務員一種

    名古屋工業大学卒業後、2009年株式会社東芝入社。携帯電話、スマートフォンの開発設計に携わる。 その後富士通株式会社を経てエンジニアから心機一転、ジブラルタ生命保険株式会社に入社し 完全歩合制の保険営業に挑戦。保険営業をしつつFP資格を取得しセミナーや社内勉強会、金融コラム の執筆と活動の場を広げていき、保険代理店を経て2022年11月より現職。 エンジニア時代に培った論理的思考を用いてお金の話についてわかりやすく伝えることをモットーに、 総合的なライフプランニングによって住宅資金、教育資金、老後資金を『最適』な金融商品・制度を 用いて戦略的に準備するアドバイスを得意としている。


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