マイホーム購入を考え始めたとき「自分の年収で住宅ローンはいくらまで組めるのか?」と気になるかたも多いのではないでしょうか。
住宅ローンの借入額は、金融機関の審査で認められる「借入上限額」と、家計に負担をかけずに返済し続けられる「無理なく返せる金額」の2つに分けられます。一般的に「年収の5〜7倍」が無理なく返せるラインとされていますが、ライフスタイルの変化に伴って返済が苦しくなるケースも少なくありません。
この記事では、年収から見た住宅ローン借入額の目安を整理しつつ、無理のない返済額の考え方と判断軸について解説します。住宅購入で後悔しないためにも、現実的な返済プランを理解しておきましょう。
無理なく返済するための住宅ローン借入額の目安は、年収の5〜7倍です。
ここでいう「年収」は手取り額ではなく、税金や社会保険料を差し引く前の収入額を指します。金融機関の審査や公的な住宅関連調査でも、年収倍率は予算をイメージするための目安として広く活用されています。
ただし、この基準はあくまで目安にすぎません。貯蓄の有無や頭金の額、他のローンの返済状況、家族構成などによって借入額の目安は変わります。
家計を圧迫しない住宅ローンを組むためにも、まずは「借りられる額」と「無理なく返せる額」の違い、そして現実的な返済比率を押さえておきましょう。
住宅ローンを検討する際は、「借りられる額(借入可能額)」と「無理なく返せる額」を区別して考えるべきです。
借入可能額は、現在の年収や他の借入状況をもとに判断されるため、将来的なライフスタイルの変化(子どもの教育費/老後資金の準備/結婚後の家計変化)は考慮されません。決して「審査に通る金額=将来まで安心して返せる金額」とは限らないのです。
住宅ローンを組む際は、自分が無理なく返せる金額を基準にすることで、現実的な借入額を決められます。具体的な返済比率の目安については、次の章で詳しく解説します。
無理なく返済できる住宅ローン借入額の目安は、年収に対する年間返済額の割合(返済比率)が20〜25%以内です。年収500万円の場合、年間返済額は約100万〜125万円、月々では約8万〜10万円が目安となります。
金融機関によっては「返済比率30〜40%」まで借入れが認められることもありますが、これはあくまで借入可能な上限金額です。生活費や将来の支出(教育費/老後資金など)を考慮し、長期的に返済を続けられる20〜25%以内を基準に借入額を決めましょう。
住宅ローンの予算をイメージできるよう、年収別に借入額の目安を下表にまとめました。
【年収別住宅ローン借入額の目安一覧】
| 年収 | 借入額目安(年収の5倍) | 借入額目安(年収の7倍) |
|---|---|---|
| 300万円 | 1,500万円 | 2,100万円 |
| 400万円 | 2,000万円 | 2,800万円 |
| 500万円 | 2,500万円 | 3,500万円 |
| 600万円 | 3,000万円 | 4,200万円 |
| 700万円 | 3,500万円 | 4,900万円 |
| 800万円 | 4,000万円 | 5,600万円 |
| 900万円 | 4,500万円 | 6,300万円 |
| 1,000万円 | 5,000万円 | 7,000万円 |
また、住宅金融支援機構が公表している「2024年度 フラット35利用者調査」では、物件タイプごとのおおよその年収倍率を以下のように示しています。
参照元:住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」
借入額の目安はあくまで参考であり、すべての人に当てはまるものではありません。頭金や貯蓄、家族構成、ほかのローンの有無によって理想の借入額は変わるため、おおよその上限を把握するための参考程度に活用してみてください。
年収倍率だけで借入額を判断すると、実際の家計に合わず返済が大きな負担になる可能性があります。年収倍率はあくまで平均的な目安であり、個々の家庭の状況までは反映されていないためです。
同じ年収でも、貯蓄額や頭金の有無、生活費、家族構成、将来見込まれる支出などは家庭ごとに異なります。借入額を決める際は、年収倍率に加えて以下の要素を確認すべきです。
| 確認項目 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 現在の家計状況 | ・貯蓄額 ・頭金の有無 ・他のローンの有無 ・生活費、固定費 |
| 家族の状況 | ・家族構成、子どもの有無 ・共働きなど働き方 |
| 将来の見通し | ・教育費などの支出予定 ・収入の変動可能性 |
年収倍率を参考にしつつ、自分の家庭状況を踏まえた現実的な住宅ローン計画を立てましょう。
住宅ローンを無理なく返すためには「毎月いくら支払うのか」を把握することが欠かせません。ここでは、年収別の月々返済額の目安と、返済額を見る際に押さえておきたいポイントを解説します。
年収に対する返済比率(年間返済額の割合)を基準にすると、月々の返済額をイメージしやすくなります。無理なく返済できる目安は、年収の20〜25%以内です。
年収ごとの月々返済額の目安を、以下の表で確認しましょう。
【年収別返済負担率の比較表】
| 年収 | 返済負担率20%(毎月の返済額) | 返済負担率25%(毎月の返済額) |
|---|---|---|
| 300万円 | 約5万円 | 約6.3万円 |
| 400万円 | 約6.7万円 | 約8.3万円 |
| 500万円 | 約8.3万円 | 約10.4万円 |
| 600万円 | 約10万円 | 約12.5万円 |
| 700万円 | 約11.7万円 | 約14.6万円 |
| 800万円 | 約13.3万円 | 約16.7万円 |
| 900万円 | 約15万円 | 約18.8万円 |
| 1,000万円 | 約16.7万円 | 約20.8万円 |
※数値は「年収 × 返済比率(%) ÷ 12ヶ月」で月々の返済額を算出
上記の金額はあくまで返済比率から算出した目安です。実際には生活費や教育費、将来の支出予定なども考慮して、無理なく支払いを続けられる返済計画を立てましょう。
同じ年収、同じ借入額であっても、金利や返済期間が違えば月々の返済額は大きく変わります。
【金利による違い(借入額3,500万円・35年返済・元利均等)】
【返済期間による違い(借入額3,500万円・金利1.5%・元利均等返済)】
※ただし、返済期間が長くなると支払う利息が増え、総返済額は大きくなる
ボーナス払いを取り入れると「毎月の返済額の軽減」や「返済期間の短縮」といったメリットがあります。
ただし、ボーナスは業績や勤務先の状況によって変動するため、将来も確実に支給されるとは限りません。ボーナス払いに依存していると、転職や業績悪化で支給額が減ったり支給されなくなったりした時に、支払いを続けられなくなる可能性があります。
住宅ローンを組む際は、「ボーナス払いなし」の条件で返済できる範囲に留め、余裕がある範囲でボーナス払いを活用するのが安全です。
住宅ローンの返済額を検討する際は、住まいを維持するためのランニングコストも含めて考える必要があります。
持ち家の場合、住宅ローンとは別に固定資産税や火災保険料が発生します。マンションであれば、管理費や修繕積立金も毎月必要です。住宅ローンだけでなく、これらの費用も含めた「総住宅費」で考えなければ、実際の負担額を見誤ってしまいます。
また、身近な人の借入額と比較して「高いか安いか」だけで判断するのも避けましょう。収入や生活費、将来のライフイベントは人それぞれ異なります。自分の生活費や将来設計をイメージしながら、無理なく支払い続けられる水準を見極めましょう。どうしても判断に不安がある場合は、住宅ローンの専門家に相談しながら進めるのも有効です。
借入額が同じであっても、毎月の返済額や総支払額が同じになるとは限りません。ここでは、住宅ローンを「借りる時点」で差が出る理由を3つ説明します。
住宅ローン金利の水準は、借入時期によって変動します。
固定金利の基準となる長期金利は、景気や金融政策の影響を受けて変動する仕組みです。実際に、長期プライムレートは2020年8月から2026年1月の約5年間で1.75%程度上昇しており、数年前と現在では金利環境が大きく異なります。(※)
借入時期が違うだけで適用される金利が変わり、毎月の返済額や総支払額に差が生じます。
※参照元:日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移」
返済期間が異なれば、月々の返済額や総支払額は変わります。返済期間を長くすると月々の返済額を抑えられますが、その分、利息を支払う期間が長くなるため総支払額は大きくなります。
「月々の返済額が安い = 返済が楽になる」とは限りません。返済期間を決める際は、月々の負担だけでなく、完済までの総支払額も含めて判断しましょう。
住宅ローンは、金利の決まり方が異なる3つの金利タイプがあります。
| 金利タイプ | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 変動金利 | ・金利が定期的に見直される ・当初の金利は低め |
・金利上昇時に返済額が増える可能性 |
| 固定金利(期間選択型) | ・一定期間は金利固定 ・その後は再度固定または変動 |
・固定期間終了後の金利に注意 |
| 全期間固定金利 | ・借入から完済まで金利が変わらない | ・金利はやや高め |
金利タイプによって、返済額の変動幅や総支払額に差が出ます。
自分の家計状況や将来設計によって最適な金利タイプが異なるため、あくまで「自分に合っているか」という視点で、慎重に検討して選びましょう。
>>あわせて読みたい(住宅ローンの金利とは? 特徴と種類、選択時のポイント)
住宅ローンの適正額は、年収だけで決まるものではありません。ここでは、自分に合った住宅ローン借入額を見極めるための6つのポイントを解説します。
これらを正しく理解したうえで住宅ローンを組めば、マイホーム購入後も無理なく返済を続けられるでしょう。
自分に合った住宅ローンの適正額を判断するには、年収だけでなく家計全体を見る必要があります。
毎月の生活費に加え、子どもの教育費や老後資金など、ライフステージごとに必要な支出は変化するものです。将来の支出を想定せずに借入額を決めると、数年後に家計を圧迫するリスクがあります。
現在の家計状況だけでなく、将来の支出も見据えたうえで無理のない借入額に留めるべきです。
将来、今と同じ収入を維持できている保証はありません。転職や育児休業、独立などで収入が減る可能性があるほか、定年後は年金生活となり収入が大幅に減少します。

住宅ローンを組む際は、こうした収入の変化を想定した返済計画を立てる必要があります。特に、定年後や75歳以降まで返済が続く計画は、年金生活での家計を圧迫するリスクが高いです。
将来の働き方やライフプランを踏まえ、収入が減った場合でも対応できる返済計画を立てましょう。
現在の返済額に問題がなくても、将来的に金利が上昇したり支出が増えたりすると、家計を圧迫する可能性があります。
特に、変動金利を選んだ場合、金利が上昇すると月々の返済額が増えます。また、固定資産税や管理費、修繕積立金などの固定費も、年数の経過とともに増える要素です。
金利が1%上昇した場合やランニングコスト(管理費/修繕積立金など)が月1〜2万円増えた場合でも返済を続けられるかどうか、事前にシミュレーションしておきましょう。
住宅ローンの実質的な負担額は、補助金制度や税金の優遇措置によって軽減できます。
代表的な制度である「住宅ローン控除」は、所定の要件を満たせば年末の住宅ローン残高の0.7%が所得税や住民税から控除される制度です。控除期間は新築住宅が原則13年、既存住宅が10年とされています。
例えば、年末ローン残高が3,000万円の場合、年間最大21万円(3,000万円 × 0.7%)が控除される計算です。(2026年3月時点)
また、国や自治体の補助金制度(省エネ住宅/子育て世帯向けなど)も活用できる場合があるため、事前に確認するのがおすすめです。これらの制度を活用した場合の実質負担額をシミュレーションしたうえで、適正な返済額を決めましょう。
年収倍率や平均値は、あくまで参考指標にすぎません。「平均的にはこのくらい」「他の人も同じくらい借りている」といった基準だけで借入額を判断するのは避けましょう。
正しい判断基準は、自分がどのような暮らしをしたいのか、将来どの程度の余裕を持ちたいのかです。他人との比較ではなく、自分の家計状況や将来設計を基準に、適正な借入額を検討してみてください。
年収から算出した目安額は、あくまで判断材料のひとつです。そのため、金融機関のシミュレーションツールを利用し、実際の返済額(月々)や総支払額を把握しておきましょう。
また、金利タイプや団信の保障内容、審査に関する不安がある場合は、住宅ローンの専門家に相談することで納得できる返済計画を立てられるでしょう。
現状の返済プランに不安を感じたら、以下3つの選択肢を検討しましょう。
早めに住宅ローンの見直しをすることで、返済負担の軽減や総支払額の削減につながるかもしれません。
住宅ローンの借換えとは、月々の返済額や総支払額を減らすために、現在より低金利の住宅ローンに切り換える手段です。
特に、借入残高が多く返済期間が長い人ほど、金利差による節約効果が大きくなります。借換えを検討する目安としては、現在の金利より1%以上低い金利で借換えられることが大切です。
借換えには事務手数料や登記費用などの諸費用がかかるため、金利差が小さいと諸費用で相殺されてしまい、借換え後のメリットがなくなってしまうこともあります。金利差だけでなく諸費用も含めたトータルの効果を確認しましょう。
また、借換え時には再度住宅ローン審査を受ける必要があります。一度借りていたからといって、確実に審査に通るわけではありません。例えば、転職直後で勤続年数が短い場合や以前よりも収入が下がった場合などは、借換え審査を通過できない可能性がありますので注意が必要です。
金利タイプの見直しとは、現在の変動金利から固定金利へ(またはその逆)に切り替えることで、将来の金利変動リスクや返済額の安定性をコントロールする方法です。
家計状況や将来の収入見込み、金利変動に対する考え方によって、適した選択は異なります。主な金利タイプは以下の3つです。
収入や貯蓄に余裕があり金利上昇に対応できる場合は変動金利、返済額を一定に保ち将来の不安を減らしたい場合は固定金利が向いています。
住宅ローンの見直しは、借換えや金利タイプの変更だけに限りません。返済計画そのものを調整することで、負担を軽減できる場合があります。
例えば、繰上返済によって返済期間を短縮し総支払額を減らしたり、返済期間を延ばして月々の負担を軽減したりすることで、無理のない返済プランに変更できます。
長期の返済が不安になったときは、早めに金融機関に相談してみてください。返済条件の見直しや返済スケジュールの調整といった選択肢を提案してもらえる場合があるので、家計の状況を正直に伝え、現実的な返済計画を検討しましょう。
住宅ローンの年収別目安に関するよくある質問に回答します。
A. 共働きの場合、夫婦の年収を合算して住宅ローンを組めます。主な方法は、以下の2つです。
どちらの方法でも借入額を増やせますが、将来どちらかの収入が減った場合に影響を受けやすい点を理解しておきましょう。
A. 年収が低くても、住宅ローンを組める可能性はあります。むしろ、重要なのは年収よりも、返済比率や家計全体のバランスです。
物件価格を抑える、頭金を多めに入れる、返済期間を長めに設定するといった工夫で、月々の負担を軽減できます。年収だけで諦めることなく、条件を整理して検討してみてください。
A. 転職直後は、住宅ローンの審査が通りにくくなります。多くの金融機関は勤続年数1年以上を審査の目安としており、収入の継続性を確認しにくいためです。
住宅購入を検討している場合は、転職前に住宅ローンを組むか、転職後1年以上経ってから申し込むことをおすすめします。
A. 住宅ローンの年収目安は、手取り額ではなく、税金や社会保険料を差し引く前の「年収」を指します。金融機関の審査や返済比率の計算も、額面年収を基準に実施されます。
A. 借りすぎた状態を放置すると、金利上昇や収入減少で返済が困難になるリスクがあります。そのため、以下のような対処法を検討しましょう。
できるだけ早めに金融機関や専門家に相談し、自分の状況に合った改善策を見つけてみてください。
借入可能額自体は、年収や返済負担率をもとにして決まるため、頭金の有無では変わりません。ただし、頭金を入れることで、購入できる物件価格の幅が広がります。
例えば、年収500万円の場合、借入可能額は年収の5〜7倍(2,500万〜3,500万円)が目安です。頭金なしでは3,500万円の物件までしか購入できませんが、頭金500万円を入れれば4,000万円の物件を購入できる可能性があります。
住宅ローン借入額は、年収の5〜7倍が目安と言われています。
しかし、実際には「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」は違うので、返済比率や家計状況、将来のライフプランを含めての検討が必要です。また、借入額が同じでも、金利タイプや返済方法によって住宅ローンの総支払額に差が出ることもあります。
事前に返済シミュレーションを活用し、必要に応じて専門家へ相談しながら、将来設計と総支払額の両面から無理のない返済ができる住宅ローン商品を選びましょう。
こんなかたには店舗相談がおすすめです
SBIマネープラザの店舗では、住宅ローンに詳しいスタッフがわかりやすく説明します。ご予約することで待ち時間もなくご相談いただけます。
こんなかたには店舗相談がおすすめです
SBIマネープラザの店舗では、住宅ローンに詳しいスタッフがわかりやすく説明します。ご予約することで待ち時間もなくご相談いただけます。