住宅ローンの金利とは?特徴と種類、選択時のポイント

住宅ローンを比較検討する際に、まず金利から考えるかたも多くいらっしゃるのではないでしょうか。住宅ローンの金利は一見してわかりやすく感じられるかもしれませんが、確認すべきポイントがあります。

住宅ローンの金利タイプには様々な種類があり、それぞれの金利タイプにメリット・デメリットがあります。住宅ローンを検討する際には、それらの中から自分にあった金利タイプを、どのように選べばよいのでしょうか。

今回はファイナンシャルプランナーとして活躍されるラポール・コンサルティング・オフィス 代表の竹国さんに、住宅ローンの金利について、その特徴や種類、選択する際のポイントをご説明いただきました。

1.住宅ローンの金利とは


まずは、住宅ローンに限らず、お金を借りるときの金利とは何か、返済額にはどう影響するのかを確認していきましょう。

1-1.金利とは

金利とは、お金を借りた人が借りたお金(元金)に対して支払う利子の割合のことです。利子(支払側からみた貸借の対価)と似た意味の単語に「利息(受取側から見た貸借の対価)」「利回り(投資した元本に対して増えた割合)」などがあります。

例えば、金利を年利3.0%で100万円借りた場合、1年間に3万円の利子が発生します。ただし、毎月の返済によって元金を減らしていくことができれば、3万円の利子にはなりません。具体的には、毎月支払うローンの利子の計算方法は、年利を12で割った月利を使って次のように計算されます。

月利=年利÷12
毎月の利息額=ローン残高×月利

100万円を年利3%で借りて、元利均等返済(※)、ボーナス返済なしで1年かけて返済する場合には下記のように計算されます。
※元利均等返済については後述します。

1ヵ月目の月利=3.0%÷12=0.25%
1ヵ月目の利息額=100万円(ローン残高) × 月利
         =2,500円

1年間の返済金額の内訳を表にすると下記の通りになります。毎月返済がなされ元金残高が減っていくので、2ヵ月目以降の利息額が減少していくことがわかります。

(住宅金融支援機構のシミュレーションツールを使用しSBIマネープラザが作成)

住宅ローンにおいては1年間で支払う利子の割合である年利(年率)が「金利」として表示されることが一般的です。

金利は、毎月の返済額や総返済額に影響します。たとえば借入金額3,000万円の返済期間35年の住宅ローン(全期間固定金利・元利均等返済・ボーナス返済なし)の場合、毎月の返済額や総返済額に、以下のような違いが生じます。

金利(年率) 毎月の返済額 総返済額
1.0% 84,685円 35,567,804円
1.5% 91,855円 38,579,007円
2.0% 99,378円 41,738,968円

(住宅金融支援機構のシミュレーションツールを使用しSBIマネープラザが作成)

1-2.住宅ローンの金利の特徴

住宅ローンの金利は、金融機関や商品によって異なることに加え、返済期間や頭金の比率によっても変動することがあります。また一般的に、住宅ローンの金利は、使用目的が限定され、審査がより厳しいことなどを理由として、マイカーローンやカードローンなどの金利に比べて低いことが特徴にあげられます。

1-3.昨今の低金利は日銀の金融政策が影響している

近年は「超低金利時代」とも呼ばれることがあるように、預貯金や住宅ローンの金利は下記の図の通り80年代・90年代と比べると低水準で推移しています。これは日本銀行(以下、日銀)のマイナス金利政策が影響していることが原因のひとつと考えられます。

マイナス金利政策とは、民間銀行などの金融機関が日銀に預ける資金の一部をマイナス金利にすることです。金融機関にとってみれば、日銀に資金を預けたままにすると金利を支払わなければならないため、企業への融資や住宅ローンで資金を貸し出しやすい環境となります。現在(2020年5月時点)、日本においては景気対策やデフレ対策(物価の上昇等)を目的としてマイナス金利政策が導入されています。そのため、近年の住宅ローンなどの借入金利が80年代・90年代と比べると低水準なのは、金融機関が貸し出しを促進するために金利の水準を下げていることが理由のひとつと言えます。

これまでの住宅ローンの金利の推移は、住宅金融支援機構のホームページなどから確認できます。

※ 主要都市銀行のホームページ等により集計した金利(中央値)を掲載。なお、変動金利は1984年以降、固定金利期間選択型(3年)の金利は1995年以降、固定金利期間選択型(10年)の金利は1997年以降のデータを掲載。
※ このグラフは過去の住宅ローン金利の推移を示したものであり、将来の金利動向を約束あるいは予測するものではありません。
(出典:住宅金融支援機構ホームページより)

2.住宅ローンの金利の種類とそれぞれのメリット・デメリット

住宅ローンの金利タイプには、大きくわけて「固定金利型」「変動金利型」「固定金利期間選択型」の3つがあります。

2-1.固定金利型

「固定金利型」とは、借入時点の金利が返済期間を通して適用され、返済期間中に借入金利が変動しない住宅ローンをいいます。固定金利型の住宅ローンには、返済額が借入時点で確定するため、返済計画を立てやすいというメリットがあります。

借入時点での金利は、以下で説明する他の金利タイプに比べて高い傾向があります。

2-2.変動金利型

「変動金利型」とは、一定期間ごとに適用金利が見直され、借入期間中に金利が変動する住宅ローンをいいます。市場金利が上昇すれば住宅ローン金利も上がり、市場金利が下落すれば住宅ローン金利も下がることが一般的です。

適用金利は通常半年ごとに見直されますが、元利均等返済の商品では、返済額の見直しは5年ごとに行われるものもあります。このタイプの商品は、5年間ごとの期間内は、短い期間で適用金利が上がってもすぐに返済額が上がるということはありません。

また、返済額を見直す場合の上限をこれまでの返済額の125.0%(1.25倍)とする、上限を設定している商品があり、月々の返済額の大幅な上昇を防ぐ仕組みになっています。

一般的に、変動金利型の住宅ローンは、固定金利型に比べ借入時の金利が低いというメリットがあります。その反面、借入時点では返済額が確定せず、返済期間中に金利が上昇し、返済額が増える可能性があることには注意が必要です。

2-3.固定金利期間選択型

「固定金利期間選択型」とは、変動金利型の一種で、借入後一定期間の適用金利が固定され、その期間終了後に自動的に変動金利に変更される、または再度固定金利を選択できる住宅ローンのことをいいます。

固定金利期間選択型の住宅ローンには、固定金利期間によって「3年固定」「5年固定」「10年固定」などがあり、一般的に固定期間が長いほど適用金利は高くなる傾向があります。キャンペーンや金融機関による違いもあるため、比較して検討するとよいでしょう。

固定金利期間選択型の住宅ローンには、固定期間中は金利や返済額が変動しないメリットがあります。一方で、固定期間終了後に金利の優遇幅が縮小され、金利が大きく上がるケースも多く注意が必要です。

(出所:住宅金融支援機構HPをもとにSBIマネープラザが作成)

3.住宅ローンの金利タイプを選択するポイント


金利タイプは返済額やその後の返済計画に大きく影響するため、それぞれの金利タイプについてメリット・デメリットをよく理解し、事前にシミュレーションを行ったうえで選択することが大切です。

3-1.金利タイプ別のメリット・デメリットを理解する

住宅ローンの金利タイプには、それぞれメリット・デメリットがあります。その両面を理解した上で、ご自身がなにを重視するのか、デメリットは許容できるものかをよく考え、ご自身にあった金利タイプを選ぶことが大切です。

固定金利型に向いているかたは、借入時点で返済額を確定させたいお考えのかたなどでしょう。変動金利型に向いているかたは、金利上昇による返済額の増加した場合でも返済ができる余裕があり、借入当初の返済額を抑えたいかたなどです。

3-2.金利タイプごとの返済総額の差をシミュレーションする

金利タイプごとに、毎月の返済額や総返済額がどのくらい変わるのか、事前にシミュレーションして確認してみることも大切です。変動金利型であれば、返済期間中に金利が上昇するケースも想定してシミュレーションを行い、金利上昇によって返済額がどう変わるのかも確認しておくとよいしょう。

住宅金融支援機構のシミュレーションツールを利用すると、複数の住宅ローンの比較や金利上昇のパターンも計算することができます。

住宅金融支援機構ホームページ
https://www.simulation.jhf.go.jp/type/simulation/hikaku/openPage.do

3-3.ライフプランに合わせて金利タイプを選ぶ

夫婦の一方が働くのか共働きなのか、子どもの人数や年齢、進学プラン、将来住み替えを考えているのかなど、今後のライフプランを考慮して金利タイプを選ぶこともポイントです。

例えば、子どもの教育費などにまとまった出費が見込まれる場合などは、返済計画が立てやすい固定金利型を選択する考え方もあるのではないでしょうか。固定金利型であれば、支出が安定するため、貯蓄の見通しも立てやすくなるでしょう。

金利上昇リスクを許容できる場合は、変動金利型を選んで借入当初の返済額を抑えるのもよいでしょう。返済額を抑えた分は貯蓄などに回して資金を確保しておき、将来余剰が生じた場合は、繰上返済をして返済額を抑えるといった考え方もあるでしょう。

4.住宅ローンの金利タイプの選択に迷ったら相談窓口などへ相談を


住宅ローンの金利タイプについては、ご自身でも簡単にシミュレーションをすることができますが、わからないことや判断に迷うことがあれば、そのままにせず、住宅ローンを取扱う金融機関の相談窓口などに相談して解決するとよいでしょう。各金利タイプのメリットとデメリット、返済期間中の対応などについてよく理解したうえで、ご自身にあった金利タイプを納得して選ぶことが大切です。

タイトル

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  • 竹国 弘城

    ラポール・コンサルティング・オフィス代表

    証券会社、生損保総合代理店での勤務を経てファイナンシャルプランナー(FP)として独立。相談者の利益を第一に考え、自分のお金の問題に自分自身で対処できるようになるためのコンサルティングや執筆活動などを行う。
    【保有資格】1級FP技能士/CFP®


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