インターネット 専業銀行の住宅ローンの特徴とは?自分に合った選び方とポイント

近年インターネット環境の進歩とともに、インターネットで住宅ローンの申込み・手続きができる金融機関が多数登場しています。インターネットでの手続きに不安なかたもいらっしゃると思いますが、一般の金融機関と異なる、店舗を持たないインターネット専業銀行ならではの利点もありますので、住宅ローンを比較・検討するときの選択肢に加えてはいかがでしょうか。

1.インターネット専業銀行の住宅ローンの基礎知識


インターネット専業銀行といっても特別な住宅ローンを取扱っているわけではありません。まずは住宅ローンの借入先の違いと特徴を見ていきましょう。

●住宅ローンの借入先の種類

住宅ローンには公的融資と民間融資があります。

公的融資には、自治体融資や独立行政法人勤労者退職金共済機構の財形持家転貸融資、住宅金融支援機構の財形住宅融資などがあります。

民間融資には、都市銀行や地方銀行、信用金庫などが融資するほか、生命保険会社、モーゲージバンクといわれる金融機関の融資があります。そして、インターネット専業銀行の融資も民間融資に含まれます。

このほかにも住宅金融支援機構と民間金融機関が提携することによって提供されるフラット35という住宅ローンがあります。

それでは、ここからはインターネット専業銀行の住宅ローンについて説明します。

●インターネット専業銀行の住宅ローンの特徴

まず、インターネット専業銀行以外の金融機関と比較して、適用金利が低く設定されているものが多い、という点が特徴に挙げられます。新規の借入れ、借換えにかかわらず低金利での借入れが期待されます。これはweb上で住宅ローンの申込み手続きを行うことで、店舗や多くの従業員をかかえる金融機関と比較して固定費が抑えられているからです。

また、インターネット専業とはいいますが、web上の手続きに不安を持つお客さまのために、対面でのやりとりや相談が可能な店舗を構えるインターネット専業銀行も存在しています。

2.インターネット専業銀行の住宅ローンのメリット・デメリット


インターネット専業銀行には店舗をもつ金融機関にはないメリット・デメリットがあります。

●メリット

インターネット専業銀行で住宅ローンを借りる場合は、自宅にいながらwebで事前審査の申込みから契約締結までの手続きを完結することができます。申込みに必要な書類は、webにアップロードする方法のほか、郵送やメールなどで受付しているインターネット専業銀行があります。

また、申込書類を電子化することで、署名や捺印をできるだけ省略して、手続きに係る手間を抑えています。

インターネット専業銀行の住宅ローンは、条件を満たすと繰上返済手数料が0円としているものが多いのも特徴です。返済期間中に余裕資金が貯まった際には、支払利息を軽減したり返済期間を短縮するために繰上返済を行うことが、手数料を気にすることなくできるメリットがあります。

さらに保証料が不要のインターネット専業銀行もあります。

保証料とは、住宅ローンの債務者がやむを得ず金融機関へ住宅ローンの返済ができなくなった際、本人に代わって保証会社に返済してもらうため、金融機関が保証会社と保証契約を結ぶ費用です。

住宅ローンを借りるにあたってはさまざまな諸費用が必要になりますが、その中でも保証料は比較的高額のため、諸費用に占める割合が大きくなる場合があります。

●デメリット

インターネット専業銀行のデメリットとしては、基本的にはwebサイト上での手続きとなるため、専門用語の意味や必要書類等を自分でひとつひとつ理解し、確認していきながら、他社商品との比較検討、申込みをしなければならないという点が挙げられます。日常生活で住宅ローンについて考える機会の少ないかたにとっては、何をどのように比較して、自分にとってメリットとなる判断材料はなにか、等悩んでしまうポイントが多く、申込む前から苦労してしまうこともあるかもしれません。

このデメリットを解消するために、前述した通り、web完結型の手続きのほか、店舗を設けて相談を受付けるインターネット専業銀行もあります。

3.インターネット専業銀行の住宅ローンの選び方とポイント


インターネット専業銀行の住宅ローンを選択肢に加えることで、より自分に合った住宅ローンを探しやすくなります。ここではインターネット専業銀行の住宅ローンを選ぶ際のポイントを解説します。

●インターネット専業銀行の住宅ローンの選び方

①ご自身に適した金利タイプを選ぶ

インターネット専業銀行では、変動金利型と固定金利期間選択型の金利タイプの住宅ローンおよび、全期間固定金利型のフラット35を取扱っている金融機関が多いようです。

変動金利型は返済期間中に定期的に金利が見直されるタイプの住宅ローンをいいます。変動金利型の金利は半年ごとに見直されることが多いですが、さらに毎月の返済額が一定の元利均等返済方式を選択している場合、毎月返済する金額自体は5年ごとに見直されることが一般的です。一部の金融機関では半年で金利を見直さない商品を扱っているので注意が必要です。

変動金利型の一種である、固定金利期間選択型は返済開始当初の一定期間は固定金利を選択することができる住宅ローンです。期間終了後は変動金利に自動的に移行する商品と、固定金利を継続するか変動金利に移行するか選択できる商品があります。

全期間固定金利型とは、返済開始当初から完済まで金利が確定しており、借入金利が変動しない住宅ローンをいいます。したがって毎月の返済額が変動しないので家計の将来を見通しやすくなります。

変動金利と固定金利の違いについては、こちらの記事で詳しく説明していますので、ご自身に適した金利タイプを扱っている金融機関を選ぶとよいでしょう。

②サービス内容

インターネット専業銀行では他の金融機関と差別化するために住宅ローンのさまざまなサービスを用意しています。

例えば平日夜間対応の問合せ窓口を設置している金融機関や、がん団信・全疾病保障保険を無料で付帯できるなどのサービスを提供しているところもあります。

住宅ローン選びの際は、住宅ローンの商品性だけでなく、これらのサービスの違いも検討しながら、ご自身の希望に合ったものを選ぶとよいでしょう。

●インターネット専業銀行の住宅ローンを選ぶポイント

住宅ローンの申込みをする場合、どれほどの借入額で、どの金利タイプを選択し、毎月の返済はいくらになるか、またその場合に必要になる諸費用はいくらかなど、前もって自身の資金計画をシミュレーションしておくとよいでしょう。

多くのインターネット専業銀行では、web上にこのシミュレーションが公開されており手軽に利用することができます。このシミュレーションによってご自身の返済計画に無理がないかある程度の目安をつけることができます。

4.多様な金融機関の住宅ローン商品を比較してみる


今や高額な資金が動く住宅ローンもインターネットで手続きできる時代になりました。

最近は店舗を持つ金融機関がインターネットで手続きできる住宅ローンを取扱ったり、反対にインターネット専業銀行が店舗を設けるなど、相互の垣根は低くなってきています。金融機関の1つとしてインターネット専業銀行の利用を検討することで、利用者にとっては自身に合った住宅ローンを探しやすくなっているといえるでしょう。

タイトル

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  • 吉田 貴彦

    ㈱住宅相談センター 代表取締役

    立教大学法学部法学科卒。アメリカの不動産業界では一般的である、FPやモーゲージブローカー(住宅ローンコンサルタント)、ホームインスペクター(住宅診断士)などが用いる手法を15年以上前から取り入れて、お客さま側に立った住宅・不動産アドバイスを行っている。
    【保有資格】CFP®/宅地建物取引士/神社検定1級


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