「頭金なしでマイホームを買いたいけれど、将来の返済が苦しくならないだろうか…」と不安に感じるかたは多いでしょう。
結論からいえば、物件価格の全額を借入れる「頭金なしで住宅ローンを組むこと」は十分可能です。ただし、契約時の手付金などまとまった現金が一時的に必要になるケースが多く、手元の現金をまったく使わずに買えるわけではありません。
また、審査の厳格化や、総返済額が大きくなるなどのリスクもあり、家計状況や将来のライフプランによって向き・不向きが分かれます。
本記事では、頭金なしで住宅ローンを組むメリット・デメリットや、将来的に後悔しないための注意点を解説します。ご自身が「頭金なしでも安全に返済できる」のかをしっかりと確認しましょう。
徐々に金利が上昇傾向にある2026年現在、頭金なしでの住宅購入を検討する際はこれまで以上に慎重な判断が求められます。手元に現金を残せるメリットがある一方で、借入額が増える分、将来の金利変動による家計への影響も大きくなるためです。今の貯蓄額だけでなく、将来のライフイベントや家計の余力を見据えた、冷静な計画を立てましょう。
結論から言えば、住宅ローンは頭金なしでも組むことが可能です。
実際に、住宅金融支援機構の調査結果(※)を見ても、利用者の約3人に1人は「頭金なし」、もしくは「頭金1割未満」で住宅ローンを組んでいることが分かります。
金融機関が頭金なしの融資に応じる背景には、ネット銀行を中心とした顧客獲得競争に加え、超低金利があります。低金利環境下では、頭金を含む物件価格の全額を借入れても、毎月の返済額が銀行の審査基準(返済負担率)内に収まりやすいためです。
ただし、「頭金なしで買える=貯金ゼロでも審査に通る」というわけではありません。収入があっても貯蓄がない場合、浪費癖や家計管理能力の欠如を疑われてしまいます。「手元に十分な現金はあるが、あえて頭金に入れずフルローンを組む」という計画的な資金繰りを行えるかたが、頭金なしで借入れできる可能性があるということです。
(※)参照元:住宅ローン利用者の実態調査 | 住宅金融支援機構
多くの金融機関で頭金なしの融資が可能ですが、借りられることと無理なく返せることは別問題です。住宅ローンの審査では、現在の年収や勤続年数などが重視されますが、借入後の生活には金利上昇や予期せぬ出費のリスクが伴います。金融機関の審査に通ったからと安心せず、自分自身のライフプランに照らして適正な額かを確認しましょう。
住宅ローンの頭金は、住宅購入費用のうち自己資金で支払う部分を指します。頭金を支払う目的は、住宅ローンの借入金を減らし、返済負担を少なくすることです。
例えば、住宅購入費用が4,000万円の場合、頭金1,000万円を支払うことで、借入額は3,000万円になります。頭金を多く入れるほど住宅ローンの借入額を減らすことができ、利息も少なくできるため、総返済額の負担を軽減することができます。
頭金を支払わず物件価格の全額を住宅ローンで賄うことを、一般的に「フルローン」と呼びます。
一方で、住宅購入時には住宅そのものの購入費用だけでなく、さまざまな諸費用の支払いも必要です。諸費用には、仲介手数料や登記費用、ローン手数料などが含まれます。大まかな金額の目安は、新築物件で購入価格の約3〜5%、中古物件で約6〜8%です。
これらの「諸費用」まで含めて住宅ローンで借入れ、元々の物件価格を超えて融資を受けることを「オーバーローン」と呼びます。
注意したい点として、オーバーローンを利用して諸費用を後からローンで賄う場合でも、売買契約時には「手付金(物件価格の5〜10%程度)」を現金で支払う必要があります。
また、オーバーローンは金融機関にとって担保である物件価格以上の融資を行うことになるため、審査が厳しくなる傾向にあります。
国土交通省の調査(※)によると、購入者の平均自己資金比率は20〜30%台です。
ただし、実態をより正確に表す「中央値(購入者の半数がそれ以下の金額)」を見ると、新築戸建で5%前後と非常に低く、実際には「頭金1割未満」という少ない自己資金で購入しているかたが多いことがわかります。
超低金利環境下では、住宅ローン控除の恩恵を最大限に活用し、不測の事態に備えてあえて手元に現金を残し、意図的に頭金を減らす(あるいはフルローンを組む)戦略をとるかたが多くいました。
後述する頭金なしのメリット・デメリットを正しく理解したうえで、ご自身のライフプランや家計状況に合った無理のない資金計画を検討しましょう。
(※)参照元:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書(P48・P49)」
頭金なしで住宅ローンを組むメリットとして、以下の4点が挙げられます。
早期に住宅を購入することで家賃負担を抑え、完済年齢を早められる点は大きな魅力です。また、手元に現金を残しておくことで、教育費や万一の備え、資産運用への充当など、柔軟な資金活用が可能になります。ただし、これらのメリットは計画的な家計管理があってこそ享受できるものであると認識しておきましょう。
頭金なしのフルローンを利用する大きなメリットは、頭金用のまとまった資金を貯める期間を待たなくても、最適なタイミングで住宅が購入できることです。
頭金を貯めるには数年かかることもあり、その間に希望の物件が売れてしまったり、物価上昇によって不動産価格が高騰してしまったり、今後さらなる金利上昇といったリスクがあります。
また、住宅購入の時期が早まればその分完済時期も前倒しされます。例えば、頭金が貯まるのを待たずに30歳で「35年ローン」を組むと65歳で完済でき、老後の家計の安心に繋がるでしょう。
住宅購入時には、物件価格や諸費用だけでなく、引っ越し代や家具・家電、カーテンなどの購入費用として、ある程度まとまった現金が必要です。実際に、新築住宅購入に伴う耐久消費財への支出は、平均100万円を超えるという調査データ(※)もあります。
また、手元の現金の大半を頭金に入れてしまうと、急な病気や予定外の減収、あるいは翌年にやってくる「固定資産税」の支払いなどが発生した際に、家計がショートしてしまう可能性も考えられます。
フルローンを活用して現金を残しておくことで、新生活に必要な設備を整えつつ、いざという時の「生活防衛資金」を確保できるのは、精神的にも大きな安心材料といえるでしょう。
(※)参照元:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書(P50)」
住宅ローン控除は、所定の要件を満たせば「年末ローン残高の0.7%」を基準として、最大13年間税金が還付される制度です(2026年3月時点)。頭金を入れずにフルローンを組んだほうが、毎年の年末残高が大きくなり、結果的に控除される金額も大きくなりやすいというメリットがあります。
ただし、「控除を最大化するため」という理由だけでフルローンを選ぶのは危険です。
還付額は自身の納税額が上限(住民税からの控除は上限97,500円※)のため、無理に借入残高を増やしても還付額が頭打ちになり、それほど恩恵が受けられないケースは多いでしょう。また、住宅ローンの適用金利が控除率の「0.7%」を上回った場合、戻ってくる税金よりも支払う利息のほうが高くなってしまいます。
現在の金利上昇局面において、控除目当てで必要以上に借入額を増やすことは、かえって総支払額を増やす可能性があることを理解しておきましょう。
※参照元:総務省「新たな個人住民税における住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)」令和8年2月24日時点
手元にある資金を、あえて頭金として取り崩さずフルローンを利用し、そのまま手元で運用し続けることで、住宅ローンを返済しながら長期的な資産形成を並行して行えるメリットがあります。
2026年4月現在の住宅ローン変動金利は年0.7%〜1.3%程度ですが、NISAなどを活用し、全世界株式の投資信託などで長期運用を行えば、非課税で年3.0〜5.0%程度の利回りが期待できるケースもあります。
ローン金利よりも高い利回りで運用を続けられれば、結果として頭金を入れて返済利息を減らすよりも、資産全体を大きく増やせる可能性があるということです。
ただし、投資には元本割れのリスクがあります。運用益がローン金利を下回るリスクも念頭に置き、生活防衛資金を残しつつ余剰資金の範囲内で慎重に判断しましょう。
頭金を入れずに住宅ローンを組むと、以下の4つのリスクを伴います。
頭金なしのデメリットを理解すれば、メリットと比較して「頭金を入れるべきか」を冷静に判断できるでしょう。
頭金なしは総返済額が増えるだけでなく、資産価値がローン残高を下回るオーバーローンのリスクを高めます。将来的に住み替えや売却を検討する際、足かせになる可能性がある点は要注意です。目先の負担軽減だけでなく、数十年後の資産状況までシミュレーションし、出口戦略を含めた慎重な検討が不可欠です。
頭金なしで住宅ローンを組む最大のデメリットは、銀行へ支払う利息が増える点です。結果として、頭金を入れた場合と比べて総返済額は大きくなります。
下表は、4,000万円の物件に対して「頭金なし」と「頭金500万円」の場合を比較したものです。
【借入額による利息負担の比較】(借入額4,000万円/35年返済/全期間固定金利2%を想定※/元利均等返済の場合)
| 頭金なしの場合 | 頭金500万円の場合 | 負担差額 | |
|---|---|---|---|
| 借入額 | 4,000万円 | 3,500万円 | +500万円 |
| 毎月の返済額 | 約13.3万円 | 約11.6万円 | +約1.7万円 |
| 総支払利息額 | 約1,566万円 | 約1,370万円 | +約196万円 |
参照元:住宅金融支援機構「借入希望金額から返済額を計算」令和8年2月24日時点
※将来の金利上昇リスクや固定金利の利用を想定し、年利2%で試算
上記の場合、頭金を支払わないことで毎月の返済負担は約1.7万円増え、35年間で支払う利息額は「約196万円」も増加します。つまり、家計からの総支出は約200万円多くなるという計算です。
頭金なし(フルローン)を選ぶべきかどうかの最終的な判断基準は、「約200万円の利息を支払ってでも、手元に500万円の現金を残すこと(いざという時の安心感や、投資による運用益の期待など)に価値を感じるかどうか」です。
自身の家計の貯蓄力や、将来のライフイベントの優先順位を踏まえ、慎重に判断することが大切です。
頭金なし(フルローン)の住宅ローンは、頭金を入れる場合と比較して審査のハードルが上がり、有利な金利条件を受けにくくなります。
審査が厳しくなる最大の理由は、借入額が大きくなることで、年収に対する年間返済額の割合である「返済負担率」が上昇するためです。年収に十分な余裕がないと審査落ちのリスクが高まります。
また、民間金融機関(特にネット銀行などの変動金利)では、「頭金を10〜20%以上入れると、金利の優遇幅が拡大する」という商品設計が主流となっています。また、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」でも、明確な金利差が設けられています。
【フラット35】借入期間:21年以上35年以下
| 融資率(借入割合) | 適用金利 | 最も多い金利 |
|---|---|---|
| 9割以下(頭金1割以上) | 年2.260%~年4.980% | 年2.260% |
| 9割超(頭金1割未満) | 年2.370%~年5.090% | 年2.370% |
参照元:住宅金融支援機構 長期固定住宅ローン【フラット35】「最新の金利情報」令和8年2月24日時点
「最も多い金利」で見ると、頭金が1割未満の場合は金利が年0.11%上乗せされます。
頭金なしの住宅ローンは、頭金ありと比べて毎月の返済額が多くなります。そのため、育休や転職による一時的な収入減少や、急な出費が発生するといった事態に直面した際、家計が赤字になるリスクは高いといえるでしょう。
万一家計が苦しくなり、家を売却することになっても、フルローンによって「住宅ローン残高 > 家の価値」の状態であれば、売却代金だけでローンの完済ができなくなってしまいます。
また、住宅は「買って終わり」ではありません。マンションの修繕積立金の値上げや、戸建てのメンテナンスには百万円単位の備えが必要です。フルローンによって日々の貯蓄余力が失われれば、こうした住まいの維持に必要な資金も確保できなくなり、資産価値のさらなる低下を招くという悪循環に陥ることも考えておく必要があります。
住宅を売却する際、売却価格よりも住宅ローンの残高が多く残っている状態を「担保割れ」と呼び、頭金なしで借入れるとこの担保割れ状態に陥るリスクとその期間が長くなります。
特に新築物件の場合、購入して入居した時点で市場価値が1〜2割下落するのが一般的です。頭金なし(フルローン)で購入すると、買った直後から「住宅ローン残高 > 家の価値」の担保割れ状態になります。
担保割れの状態で家を売却するには、売却価格とローン残高の差額と仲介手数料などの諸費用を、すべて自己資金で一括補填しなければいけません。
物件価格3,500万円・35年返済の条件で、頭金の有無による「家計からの総支出」の差を、変動金利と固定金利(フラット35)の2パターンでシミュレーションしました。
結論からいうと、選ぶ金利タイプによって、頭金を入れる価値が全く異なります。
【ケース1】変動金利(0.6%)で組む場合(元利均等・全期間金利変動なしと仮定)
| ①頭金なし | ②頭金200万 | 負担差額(①−②) | |
|---|---|---|---|
| 借入額 | 3,500万円 | 3,300万円 | +200万円 |
| 毎月の返済額 | 約9.2万円 | 約8.7万円 | +約5,000円 |
| 総返済額(銀行へ払う額) | 約3,882万円 | 約3,660万円 | +約222万円 |
| 総支払額(頭金+総返済額) | 約3,882万円 | 約3,860万円 | +約22万円 |
頭金を200万円入れると毎月の支払いは5,000円下がりますが、注目すべきは家計から出ていく「総支払額」です。頭金200万円を支払っても、35年間後にトータルで22万円(年間約6,000円)しかメリットがありません。
超低金利下では、これだけの利息軽減のために手元の現金を失うより、あえてフルローンにして200万円を手元に残し、予備費やNISAでの運用に回すという戦略が合理的といえます。
【ケース2】固定金利(フラット35)で組む場合(2026年2月時点の最低金利を適用)
| ①頭金なし | ②頭金200万 | ③頭金350万円(物件価格1割) | 負担差額(①−②) | 負担差額(①−③) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 借入額 | 3,500万円 | 3,300万円 | 3,150万円 | +200万円 | +350万円 |
| 金利※ | 2.37% | 2.37% | 2.26% | ±0% | +0.11% |
| 毎月返済額 | 約12.3万円 | 約11.6万円 | 約11.0万円 | +約7,000円 | +約1.3万円 |
| 総返済額(銀行へ支払う額) | 約5,154万円 | 約4,859万円 | 約4,562万円 | +約295万円 | +約592万円 |
| 総支払額(頭金+総返済額) | 約5,154万円 | 約5,059万円 | 約4,912万円 | +約95万円 | +約242万円 |
参照元:住宅金融支援機構「借入希望金額から返済額を計算」令和8年2月24日時点
金利が高い固定金利では、頭金による軽減効果が大きいです。特にフラット35は頭金1割を入れることで金利が下がるため、フルローンの場合と比べて家計の総支払額で「約242万円」の差が生まれます。フラット35を利用するのであれば、フルローンは極力避けるのが賢明です。
シミュレーションを行う際は、単に月々の返済額を見るだけでなく、数十年にわたる総利息の差に注目してください。特に固定金利や融資率で金利が変わるプランでは、わずかな頭金の有無が数百万円の差を生むこともあります。複数の条件で比較を行い、利息負担と手元資金のバランスが最も良い落とし所を見極めましょう。
頭金なしの住宅ローンで後悔しないために、以下の注意点を理解しましょう。
これらを基準に、頭金なしでの住宅ローンが自分に合っているのかを判断してみてください。
住宅ローンは借りられる上限額いっぱいまで借りるのではなく、あくまで教育費や老後資金とのバランスを考えた返済額に抑えるべきです。特に変動金利を選択する場合は、将来の金利上昇に対する耐性を確認しておく必要があります。生活費の半年から一年分程度の予備費を確保したうえで、ゆとりある計画を立ててください。
住宅ローンの検討を進めていくと、ハウスメーカーや金融機関から想定以上に高額な「借入可能額」を提示されるケースがあります。
しかし、銀行から借入れできる「借入可能額」と「無理なく返せる金額」は別物です。一般的に、適正な借入額の目安は「年収の5〜7倍」と言われます。
(参考)額面年収別の借入額の目安
| 年収 | 借入額目安(年収5倍) | 借入額目安(年収7倍) |
|---|---|---|
| 300万円 | 1,500万円 | 2,100万円 |
| 400万円 | 2,000万円 | 2,800万円 |
| 500万円 | 2,500万円 | 3,500万円 |
| 600万円 | 3,000万円 | 4,200万円 |
| 700万円 | 3,500万円 | 4,900万円 |
| 800万円 | 4,000万円 | 5,600万円 |
| 900万円 | 4,500万円 | 6,300万円 |
| 1,000万円 | 5,000万円 | 7,000万円 |
注意すべきは、この倍率は税引き前の「額面年収」をベースにしている点です。私たちが実際にローンを返済するのは、税金や社会保険料が引かれた後の手取りからです。「年収の7倍」までフルローンで借りてしまうと、手取りに対する返済の割合が非常に高くなります。
急な出費や将来の金利上昇、物価上昇などに対応するためには、毎月の返済額を手取り月収の20〜25%以内に収めると安心です。
もし、手取りの25%以内に収まらない場合は、無理にフルローンを組むのではなく、夫婦の収入を合算する、購入する物件の予算を根本的に見直すといった選択肢も考慮する必要があるでしょう。
頭金なしで住宅ローンを組む場合でも、手元から現金が一切出ていかないわけではありません。物件の契約から入居までの間に、現金での支払いが必要となるタイミングがあります。
【物件代金以外に生じる主な現金支出とタイミング】
| 支払うタイミング | 項目 | 金額の目安 | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 売買契約時 | 手付金 | 物件価格の約5〜10% | 売買契約の証として売主へ支払うお金 (フルローン実行時に手元に戻ってくる) |
| 決済・引き渡し時 | 諸費用 | 物件価格の約3~8% | 登記費用、火災保険料、仲介手数料、ローン手数料など (オーバーローンで借りる場合は不要) |
| 入居前後 | 耐久消費財・引っ越し費 | 約100万円〜(※) | 引っ越し業者費用、カーテン、家具家電の購入など |
(※)参照元:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書(P50)」
フルローンを利用して最終的に手付金が手元に戻ってくるとしても、また、諸費用をローンに組み込むオーバーローンの審査に通ったとしても、契約時に一時的に支払う数百万円の現金は回避できません。
これらを考慮すると、手付金と引っ越し等の準備金として、最低でも物件価格の10%程度の現金は手元に確保しておく必要があります。諸費用を現金で支払う場合は、物件価格の15〜20%程度の現金を手元に残しておくと安心です。
頭金なし(フルローン)で住宅ローンを組むと借入額が最大化されるため、わずかな金利上昇や収入減少が家計に与えるインパクトも必然的に大きくなります。
例えば、変動金利が1%上昇しただけで、借入額4,000万円・35年返済の場合、毎月の返済額は約2万円、35年間の総返済額は約800万円も増加します。
そのため、現在の適用金利に2〜3%を上乗せした条件でシミュレーションを行い、その返済額が「手取り月収の25%以内」に収まっているか確認しましょう。
また、フルローンを利用する場合は、「1年分以上の生活費」に加え、将来の修繕費や固定資産税を賄うための「100万〜200万円の住宅専用予備費」を、常に手元に残しておけるような資金計画を立てておくと安心です。
頭金なしで住宅ローンを組むと、手元に現金を残せる一方で、借入額も利息の負担も最大化します。万一の担保割れのリスクも長期間背負うことになります。
無理なく返済を続けられるよう、以下のチェックリストを参考に「フルローンが本当に自分に合っているか」を判断しましょう。
【フルローン適性チェックリスト】
上記の条件をすべてクリアできれば、頭金なし(フルローン)は賢い選択となります。
もし、フルローンが適切かどうか判断に迷う場合は、不動産会社や金融機関ではなく、利害関係のない独立系のファイナンシャルプランナー(FP)など、第三者の専門家にライフプランのシミュレーションを依頼するのがおすすめです。
頭金なしで住宅ローンを組む際によくある質問に回答します。
A.頭金なしを選択する理由によって、無謀かどうかが分かれます。
結論からいえば、「手元の貯金がないから頭金なしにする」という場合、少しの収入減や急な出費で家計がショートし、家を売ることもできない「担保割れ」の罠に陥るため、無謀(危険)と言わざるを得ません。
しかし、「手元に十分な資金はあるが、いざという時の防衛資金や投資運用のために、あえてフルローンを選ぶ」という戦略的な目的であり、かつ以下の条件をすべて満たしていれば、決して無謀な選択ではないでしょう。
【無謀ではないと言える4つの条件】
自身の貯蓄額と手取りベースでの堅実な返済計画を踏まえ、慎重に判断しましょう。
A.「物件価格の1〜2割」までは明確に有利になりますが、多ければ多いほど有利というわけではありません。
頭金を多く入れることで、支払う利息の総額を抑えられ、また金融機関によっては特別な金利優遇を受けられるケースがあります。
しかし、頭金を多く支払うことで借入残高が減るため、住宅ローン控除で戻ってくる税金が少なくなったり、いざという時の生活防衛資金が枯渇し、少しの収入減少で家計が破綻しやすくなるといったリスクがあります。
金利優遇を最大限引き出せる1〜2割の頭金を入れたら、残りの資金はあえて手元に残し、運用やいざという時の備えることが、賢い戦略といえます。
A.住宅金融支援機構の調査結果(※)によると、約3人に1人が頭金なし、もしくは頭金1割未満で住宅ローンを組んでいます。この結果から、「頭金なし(フルローン)」は主流な選択肢の一つといえるでしょう。
ただし、「みんなが頭金なしで買っている=貯金ゼロで家を買う人が多い」というわけではありません。自身の手取り収入と貯蓄額に基づいた、安全で堅実な資金計画を立てることが大切です。
(※)参照元:住宅ローン利用者の実態調査 | 住宅金融支援機構
A.フルローンで後悔する最大の原因は、「銀行が貸してくれる額」を「自分が返せる額」と勘違いしてしまうことです。以下の3つのうち、1つでも当てはまる場合はフルローンでの購入は見送るべきでしょう。
判断に迷う場合は、利害関係のない独立系のファイナンシャルプランナー(FP)に相談し、客観的なキャッシュフロー表を作成してもらうと良いでしょう。
かつては、頭金なしでは住宅ローンを契約できない時代もありましたが、現在はあえて手元の現金を残す「戦略的な頭金なし(フルローン)」は一般的な選択肢の一つです。
しかし、「貯金がないから」という理由で安易に借入額を最大化してしまうと、将来の金利上昇や収入減少が起きた際に、家計の破綻や、家を売ることもできない担保割れに陥る危険性があります。
不動産会社や銀行が提示する「借りられる上限額」ではなく、以下の3点を目安に、「手取りで無理なく返せる額」を検討することが大切です。
「本当にフルローンで大丈夫か」「いくら手元資金を残すべきか」「変動と固定どちらが自分の家計に合うか」など、将来の資金計画に少しでも不安があるかたは、SBIマネープラザにご相談ください。
専門コンサルタントが、あなたの家計とライフプランに基づいた厳格なシミュレーションを行い、最後まで安心できる住宅購入をサポートいたします。
こんなかたには店舗相談がおすすめです
SBIマネープラザの店舗では、住宅ローンに詳しいスタッフがわかりやすく説明します。ご予約することで待ち時間もなくご相談いただけます。
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