火災保険料の相場や仕組みを解説!保険料を抑えるためのコツとは?

火災保険を検討するうえで補償内容と並んで気になるのは保険料ではないでしょうか。本記事では、戸建てやマンション、賃貸物件など建物形態による違いやエリアの影響、さらに火災保険料を抑えるためのコツまで幅広くご紹介します。

災害リスクの高まりとともに必要性が増す火災保険ですが、加入や見直しの際には押さえておくべきポイントが多くあります。本記事を読むことで、火災保険の基礎や保険料の相場の目安を知ることができます。

1.火災保険料の相場とは?主な決定要素


火災保険の保険料は、建物の構造、所在地、築年数、補償内容、そして保険金額など複数の要因で変わります。

●建物の構造

一般的には、木造や軽量鉄骨など耐火性能が低い構造ほど火災リスクが高いとみなされ、保険料が上がる傾向にあります。一方、鉄筋コンクリート造や省令準耐火構造など耐火性能の高い建物は、火災リスクが比較的低く、保険料が抑えられやすいです。ただし、風災や水災リスクなど他の要素も反映されるため、一概に構造だけで決定されるわけではありません。

●自然災害リスク

自然災害リスクは地域差が大きく、台風や大雨、水災が多いエリアでは保険料が高くなる場合があります。築年数が古い建物は配管や設備の劣化リスクが高いため、高い保険料設定になることも少なくありません。

●補償内容

火災保険は火災による損害だけではなく、水災や風災、落雷、盗難による損害等、幅広く補償可能です。補償内容や特約に関しては、補償範囲を広げたり特約を追加したりするほど保険料は増加し、補償範囲を絞れば下がります。ご自身の住むエリアのハザードマップなどを確認し、リスクが低いと考えられる補償を外すことで保険料を抑えることも可能です。現在の住環境やリスクをよく考えて取捨選択することが大切です。

保険料は建物や家財の評価額によって設定され、適切な金額設定をすることで過不足のない補償を得ることができます。火災保険は複数の要素を総合的に判断して、自分の状況に合ったプランを選ぶことが重要です。

2.戸建て・マンション・賃貸ごとの火災保険料相場


●戸建ての保険料相場

戸建ては構造や延床面積、所在地によって保険料が大きく変わります。木造の場合は火災リスクが高く、保険料がやや高額になりがちです。一方で省令準耐火や鉄筋コンクリート造等の火災リスクが低い場合は、約半分程度に抑えられるケースもあります。

●マンション(分譲)の保険料相場

分譲マンションでは、個人で加入する火災保険の対象は主に専有部分と家財になります。建物全体の保険は管理組合が加入していることが多く、個人が負担する保険料は相対的に低めです。ただし、高層階でも水漏れ事故や設備故障は起きる可能性があるため、十分な補償範囲を検討することが重要となります。マンションの専有部分をカバーする火災保険は、建物構造が耐火性能に優れていることが多く、さらに共用部分が管理組合でカバーされるため、やや低めになる傾向です。

●賃貸物件の保険料相場

賃貸の場合は、建物自体の火災保険はオーナーの負担となるため、入居者は家財補償と借家人賠償責任の部分をカバーします。そのため、戸建てや分譲マンションに比べ保険料が低めの1万円台から2万円台で収まることが多いです。ただし、家財の金額や特約の有無によっては変動することがあるので、見積もりの際には複数社を比較してみるとよいでしょう。

3.エリア別の火災保険料相場:地域による差は?


自然災害のリスクや立地条件は地域によって大きく異なり、火災保険料の設定にも影響します。ここでは日本各地の特色を簡単にみておきましょう。

●北海道・東北地方

厳しい寒さや豪雪が特徴の地域では、雪災補償や水道管凍結による破損などに備えることがポイントとなります。屋根の雪下ろし中の破損や雪の重みによる建物損害などが考慮されるため、保険料に雪災リスクが反映されるケースが多いです。

●関東地方

首都圏をはじめとして人口が集中しているため、火災発生のリスクや地震リスクも考慮されやすいエリアです。台風や豪雨による風災・水災リスクも高い地域があり、物件の立地条件次第では保険料が上乗せされる場合があります。

●中部地方

山間部と沿岸部の両方が存在するため、降雪や台風、河川の増水リスクなどが地域ごとに異なります。日本アルプス周辺では雪災リスクが高く、沿岸部では河川氾濫リスクを加味した保険料設定になることも珍しくありません。

●近畿地方

台風が比較的多く通過する近畿地方では、強風や大雨による被害が懸念されます。また、人口密集地があるため火災事故の発生率も無視できないポイントです。河川氾濫や土砂災害のリスクが高い地域もあるため、補償内容に注意が必要です。

●中国・四国地方

台風の上陸ルートとなることが多いエリアで、特に沿岸部は高潮や大雨災害のリスクが高くなります。山間部では土砂崩れのリスクもあり、地域の特性によって保険料が変動しやすい点が特徴です。

●九州・沖縄地方

台風の通過数が多く、風災や水災への備えが必須といえる地域です。特に沖縄では建物の耐風設計が進んでいる場合も多いですが、その分リスクヘッジを手厚くすることで保険料が高めに設定されることもあります。

4.火災保険料を抑えるための方法


火災保険の保険料は、決して安い出費ではありません。しかし、補償を見直したり各種割引を活用したりすることで、コストを軽減することも可能です。

まずは、現在の補償内容が本当に必要かどうかを確認するところから始めましょう。例えば、水災リスクが低いエリアに住んでいる場合、水災補償を外すことで保険料を下げられるかもしれません。一方で、実際には被害が起きる可能性があるのに補償を外してしまうと、万一の際に大きな負担となりますので慎重に検討しましょう。

●保険期間・支払方法を最適化する

一般的には保険料を月払いではなく年払いや一括払いにすると、総支払額が割安になります。また、最長5年の長期契約にすると1年ごとに契約するより割安になるケースもあります。ただし、途中で解約すると解約返戻金が低くなる場合もあるため、ライフプランに合わせて検討しましょう。

●割引制度を活用する

新築割引や築浅割引、WEB証券(ペーパーレス)など契約方法の工夫や各種割引を活用することで、負担を軽減できます。

●地震保険とのセット加入を活用する

火災保険では、地震・噴火やこれらによる津波を原因とする火災や損壊は補償されず、地震の損害に備えるには、火災保険とセットで地震保険に加入する必要があります。(地震保険は単独で加入することができず、必ず火災保険の加入が必要)

地震保険の保険料は地域や建物構造によって変動しますが、セット加入することで割引が適用される保険会社もあります。

地震保険の保険料は政府がある程度統一的に定めており、建物の構造と所在地の地震発生リスクによって決定されます。そのため、火災保険同様に耐震性能の高い建物であれば地震保険の保険料も安くなる傾向にあります。セット加入時の割引制度を活用して、両保険をバランスよくカバーするのがポイントです。

5.火災保険の見直しとタイミング


リフォームや増改築を行った場合、建物の評価額が変わることがあります。そのままにしておくと、実態に合わない補償内容や保険金額のまま保険料を支払うことになるかもしれません。契約更新の際には、建物の情報を保険会社に伝えて見直すことで、適正な補償と保険料のバランスが保てます。

また、ライフステージの変化によって家財の量や種類も変動します。新しく高価な家具や家電を購入した場合や、逆に荷物が減った場合には、家財補償の設定を見直すことで保険料を適正化できるでしょう。

6.まとめ


戸建て、マンション、賃貸など住まいの形態によって相場は異なりますが、共通して言えるのは必要な補償を正しく選び、不要な補償を見直すことで最適な保険プランを設計できます。さらに、各種割引制度や適切な支払い方法を選択することでコストを抑えることも可能です。

自然災害が多い日本において、火災保険は安心を支える重要な柱です。契約後も定期的に見直しを行い、ご自身のリスクに合った火災保険を選びましょう。

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