【将来の病気やケガが不安なかたへ】住宅ローンのポイントと注意点

住宅ローンを組むと、長ければ35年間にわたって返済を続けることとなります。返済期間中に亡くなられた場合に備えた制度として、団体信用生命保険が用意されています。

この団体信用生命保険は、亡くなられた場合以外にも、所定の病気やケガの保障を特約として付けられるタイプのものがあります。現在健康でも、将来の病気やケガが不安なかたにとっては、安心して住宅ローンを組める制度と言えるかもしれません。

今回は、将来の病気やケガが不安なかたに向けて、住宅ローンのポイントと注意点について、株式会社住宅相談センターの吉田貴彦社長に説明していただきました。

1.病気やケガで働けなくなったら住宅ローンの返済はどうなる?


収入がなくなったり減ったりすると、ほとんどのかたにとって住宅ローンの返済は難しくなるでしょう。また、状況によってはすぐに新しい職場や収入源を見つけることも難しいことがあるかもしれません。

1-1.団信に加入していれば住宅ローンが弁済される可能性がある

住宅ローンには、ローンの返済中に亡くなった場合や所定の高度障害状態となった場合に備える制度として、団体信用生命保険(以下「団信」)が用意されています。団信に加入していると、これらの所定の状態となった際に、保険会社から支払われる保険金で住宅ローンの残額が弁済されるので、その後の返済が免除されます。

亡くなった場合や高度障害状態となった場合に加えて、金融機関によっては「三大疾病保障付」「八大疾病保障付」「全疾病保障付」などの特約を付けられる団信もあります。原則として保障範囲が広がると、保険料負担が大きくなるため、借入金利が上がりますが、以下の表に示すようなより広い保障を求めるならば選択肢になります。

ガン保障付 三大疾病保障付 八大疾病保障付 全疾病保障付
悪性新生物(ガン)と診断された場合
ガン、脳卒中、急性心筋梗塞に罹患して所定の状態になった場合 ×
ガン、脳卒中、急性心筋梗塞のほか、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎に罹患して所定の状態になった場合 × ×
すべての病気やケガで所定の状態になった場合 × × × ×

(保障範囲や条件は金融機関によってことなりますので、各金融機関に必ずご確認ください。)

団信の保障範囲は、金融機関の規定や、加入者が選択する特約によって異なりますので、将来不安だと思われる病気やケガをカバーしているものを探されるとよいでしょう。

ただし、次で説明する点には注意が必要です。

1-2.団信はあらゆる状況に対応しているわけではない

団信では保障の対象となる条件(支払事由)が決められていますので、仮に病気やケガで働けなくなったとしても、すべてのケースで返済が免除されるわけではありません。保障対象に該当しないとみなされた場合は、引き続きローンの返済を続けていかなくてはなりません。

団信は「働けなくなったら無条件で返済免除」というわけではないので、注意が必要です。多くの場合、「所定の病気が原因で〇日以上働けない状態が続いた場合」や「医師によって診断確定されること」などの条件を定めています。あらかじめ条件をよく確認するようにしましょう。

1-3.団信に加入するためには審査がある

団信に加入するためには、一般的な保険と同様に審査が必要になります。所定の告知書に健康状態などを記入して提出しますが、持病やこれまでの病歴によっては加入できないことがあります。

団信の加入を必須条件としている住宅ローンでは、団信に加入できないと借入れ自体できないので、選択肢が限られることになります。例えば、独立行政法人住宅金融支援機構のフラット35などは団信に加入しなくても利用可能な住宅ローンですが、団信不加入の状態で借入人が死亡された場合などは、債務が残り、家族に負担がかかることになります。十分注意しましょう。

2.住宅ローンの団信の対象となる高度障害状態とは?


団信における「所定の高度障害状態」とは具体的にどのような状態を指すのか、ここでは住宅金融支援機構の「機構団信」を例として説明します。

2-1.機構団信で高度障害状態と認定される条件

【機構団信の高度障害状態】

視力の障害 両眼の視力を全く永久に失ったもの
言語またはそしゃく機能の障害 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
精神障害・内臓障害 ・中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
・胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
四肢の損傷 ・両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
・両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
・1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
・1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

(出典:住宅金融支援機構ホームページより、SBIマネープラザが作成)

団信によって「所定の高度障害状態」が指す状態は異なりますが、一人での日常生活が難しいほどの状態と定められていることが一般的です。

なお、2017年10月、フラット35に付帯する団体信用生命保険の制度が変わり、上記の「高度身体保障」とは保障範囲の異なる「身体障害保障」が付保された新機構団信に加入できるようになりました。

この身体障害保障とは、身体障害者福祉法に定める障害の級別が1級または2級の障害に該当し、身体障害手帳の交付を受けたときに、以後の住宅ローン返済が免除されるものです。一定の障害状態に対する保障は、旧機構団信でも所定の高度障害状態を保障の対象としていましたが、保障の対象となる状態が異なります。例えば、旧機構団信では「両眼の視力を全く永久に失ったもの(矯正視力が0.02以下になって回復の見込みのない場合)」を保障の対象としていましたが、新機構団信の場合は身体障害者福祉法に定める基準「視力の良い方の眼の矯正視力が0.02以上0.03以下(身体障害2級に該当)」などが条件となっており、この点は条件が緩和されたと言えるでしょう。

3.将来の病気やケガが不安な場合のポイント


所定の高度障害状態が指す状態以外の病気やケガが心配な場合、下記の対応が考えられます。

3-1.保障範囲の広い住宅ローンを選ぶ

1-2」でご紹介の通り、金融機関によっては死亡と所定の高度障害状態以外の疾病に備える団信が取扱われています。
団信によって、病気の種類や症状の程度、免責事項などが細かく決められていますので、比較検討してご自身が不安に感じる点を保障しているかなどを確認した上で選ぶことが大切です。

>>「全疾病保障」について店舗で相談する

3-2.別の保険を活用する

繰り返しになりますが、金融機関によって団信の保障範囲としている病気やケガの状態は異なります。もし、団信以外の住宅ローンの条件がご希望に合っていても、団信の保障範囲が不足だと感じられたら、別の保険に加入することを検討するのもよいでしょう。

保険会社が定める条件で就業不能な状態となった際に、一定期間保険金を受取れる保険がありますので、住宅ローンの返済期間に合わせて加入する、などの活用方法が想定されます。

ただし、上記の保険は団信のように住宅ローンに付帯した保険ではなく、保険料を別途支払わなければなりませんから注意が必要です。反対に言うと、保険料が負担だと感じられたら保険だけ解約することができますし、住宅ローンを繰上返済して完済しても保険が必要だと考えるなら加入し続けることも可能なので、そのときの状況にあわせた選択ができるでしょう。

4.ご自身の希望に合った団信を選ぶことが大切


ここまで見てきた通り、団信は住宅ローンを安心して利用するための制度と言えますが、一方で保障を追加すると団信の保険料が追加されたり、借入金利に上乗せされたりすることがあるので検討が求められます。

まずは、ご自身が病気やケガでこれまで通りの働き方ができなくなったとき収入がどのようになるのか、あるいは現在加入している保険はどのような保障内容になっているのか、などを確認するとよいでしょう。また、収入が減った際に、ご家族に返済をサポートできるかたがいるかどうかも重要になります。

住宅ローンを組むことを検討する際、将来まで返済を継続できるか不安になりがちですが、不要な保険料が発生しないよう団信は必要に応じて加入しておきたいところです。ご自身やご家族のライフプランを考慮され、あなたにとってベストな住宅ローン、団信を選ぶことができると幸いです。

こんなかたには店舗相談がおすすめです

  • ・金利だけではなく保障も重視したい
  • ・健康に不安があるのでフラット35を利用したい
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SBIマネープラザの店舗では、住宅ローンに詳しいスタッフがわかりやすく説明します。ご予約することで待ち時間もなくご相談いただけます。

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タイトル

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  • 吉田 貴彦

    ㈱住宅相談センター 代表取締役

    立教大学法学部法学科卒。アメリカの不動産業界では一般的である、FPやモーゲージブローカー(住宅ローンコンサルタント)、ホームインスペクター(住宅診断士)などが用いる手法を15年以上前から取り入れて、お客さま側に立った住宅・不動産アドバイスを行っている。
    【保有資格】CFP®/宅地建物取引士/神社検定1級


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