約6割が間取りに不満? 子育て世帯1,000人に聞いた、持ち家の不満・不便なこと

人生で一番大きな買い物となるかたも少なくない「マイホーム」。その平均費用は土地付き注文住宅で約4,257万円、建売住宅で約3,494万円(※)との統計もあり、金額的に見ても決して小さな買い物ではありません。そして長く住み続けるものだからこそ、後悔するような選択は避けたいところではないでしょうか。

今回は持ち家に住まわれているかたの中でも「子育て世帯」の1,000人を対象にアンケートを実施しました。子育て世帯が住宅購入の際に何を考慮したのか、現在不満・不便に感じていることなどを伺っております。

(※)住宅金融支援機構「フラット35利用者調査2019年度」より、フラット35が利用された案件のうち83,513件について集計された全国平均の金額

1.子育て世帯が住宅購入の上で「考慮したポイント」は?


まずご紹介したいのが、「住宅購入時点で子どもがいましたか?」という質問。全体の約7割のかたは「いた(69.9%)」と回答しております。お子さまがいらっしゃることが、住宅購入を検討するきっかけとなるケースが多いようです。

◆住宅購入時点で子どもはいましたか?

そのうえで「子どもの教育のために、住宅を購入する際に考慮したこと(複数回答)」を伺うと、一位が「間取り(67.1%)」、二位が「立地(45.8%)」、三位が「設備(24.4%)」という結果になりました。

子どもの教育のために、住宅を購入する際、選択肢の中で考慮したことはありましたか?(複数回答)

また、お子さまの教育のために「間取り」についてどのような点を考慮したかも伺いますと、「子供部屋を作る(62.3%)」、「リビングの広さ(23.2%)」、「子供部屋の広さ(20.4%)」などが挙げられました。「子供部屋を作る」が最も多くの方に選択されていますが、これはお子さまの今後の成長も意識され、しっかりとお子さま自身の空間を用意し、勉強などにも集中できる環境を整えたいといった思いによるものではないかと考えられます。また、「自室(子供部屋)へのルート(43歳・女性)」というコメントもありましたが、部屋の広さだけでなく、家族がなるべく顔を合わせられる環境作りや、お子さまに何かあった際にすぐにむかえるように導線を整えておくことなどが意識されているのでしょう。

また「成長に合わせて間取りが変えられるかどうか」を考慮したかたは全体の1割程度(10.2%)でした。ですが、この記事の後半で紹介します間取りに関する不満・不便についての質問の回答にて、「子供部屋が足りない(15.7%)」、「間取りが変えられない(15.6%)」という声が少なからずありました。お子さまがある程度成長したタイミングや、お子さまが増えた際などに、こういった点を問題と感じられるようになるのではと推測されます。住宅購入のタイミングでは、お子さまがまだ小さいかもしれませんし、何人家族となるかもわからないでしょうから、将来に理想的となる間取りのイメージが難しいと思われます。ただ、移動式の間仕切りで臨機応変に子供部屋の間取りを変更できるようにするなど、将来を見越した工夫もできますし、後々を見越して検討をすると良さそうです。

コメントの中には「何も考えず作ってしまったので後悔している(33歳・女性)」といったものもあり、住宅購入前にもっと慎重に検討するべきだったと後悔しているかたもいらっしゃるようです。一度住宅を購入すると、間取りそのものを変えるにはリフォームすることが一般的となりますが、リフォームにかかる費用は平均314.8万円(※)という統計があることからも、まとまった費用がかかることがうかがえます。住宅購入を検討する段階で、改めて家族の在り方や教育方針などを整理して、間取りや立地の選択に反映させると良いでしょう。

(※)一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査 第 11 回 調査報告書」(平成31年2月)より

子どもの教育のために、住宅の購入時に間取りで考慮したことはありますか?(複数回答)

子どもの教育のために、住宅の購入時に設備で考慮したことはありますか?(複数回答)

子どもの教育のために、住宅の購入時に立地で考慮したことはありますか?(複数回答)

2.子育て世帯の本音!「持ち家で不満・不便に思っていることは?」


次に、実際に住宅を買われたかたがどんなことで不満・不便を感じているかをみていきましょう。ここではお子さまの教育という視点から「間取り」「設備」「立地」の3つのポイントを見ていきます。

まず「間取り」については、不満・不便は「特になし」と回答したかたが42.9%ということですから、なにかしらの不満があるというかたは約6割(57.1%)ということになります。具体的に伺ってみると「子供部屋が足りない(15.7%)」、「リビングの広さ(15.6%)」、「子供部屋の広さ(13.6%)」などが挙げられました。例えば住宅購入時に1人だったお子さんが、その後2人、3人と増えた場合、子供部屋が足りずに苦労するといったケースも少なくないようです。また「リビングでの学習スペースがない(9.7%)」と回答されたかたもいらっしゃいました。特にお子さまが小さいうちは、リビングでご両親と一緒に宿題などをする場面も少なくありませんが、そのスペース確保までは想定していなかったという声もあるようです。

子どもの教育面から見て、現在の住宅の間取りで不満・不便なことはありますか?(複数回答)

次に「設備」について、最も多かった不満・不便は「備え付けの本棚がない(14.3%)」という回答です。お子さまが学習する上で教科書などの書籍類は進級するごとに増えていくため、その収納スペース確保に苦労されるかたが多いのではないでしょうか。間取りの不満・不便に関する質問でも「収納スペースがない・足りない」と言ったコメントも寄せられており、お子さまのための十分な収納スペースを確保しておくと良さそうです。

子どもの教育面から見て、現在の住宅の設備で不満・不便なことはありますか?(複数回答)

最後に「立地」に関して、不満・不便な点として挙げられた項目TOP3は「学校との距離が遠い(18.2%)」、「自治体の教育への取り組み(10.6%)」、「習い事の拠点との距離が遠い(9.8%)」でした。学校や習い事の拠点への距離が遠くなればなるほど、家を早めに出る必要があるなど時間的制約に縛られることや、通学中の事故の心配も増えるはずです。

また、場合によっては送り迎えなどの手間も増えることから、慎重に立地を検討すると良さそうです。お子さんの通学路に関しては「通学路が狭い(40歳男性)」、「交通量が多い(41歳女性)」など安全面を心配する声もありました。立地を検討する際には、学校周辺の環境などにも目を配ると良さそうです。

子どもの教育面から見て、現在の住宅の立地で不満・不便なことはありますか?(複数回答)

また、自治体の教育への取り組みに不満を感じているかたも一定数いらっしゃいました。この比率は40代・50代に比べて20代・30代の比率が高く、実際にお子さまの学校教育を間近で見ているご両親にとっては、立地を選ぶうえで重要な観点となりやすいことがうかがえます。

例えば、高校の授業料の助成の水準などは自治体によって異なりますし、その他には英語教育などグローバル人材育成に向けて積極的に取り組んでいる自治体もあるようです。立地を決める際には、お住まいになる自治体がどういった教育に対する取り組みをしているのかも確認しておきたい点の一つとなるでしょう。

いかがでしたでしょうか。

今回は主に子育て世帯にフォーカスして、住宅購入で考慮するべき点や不満・不満に感じている点について、アンケートをもとにご紹介しました。

住宅は、金銭的にも大きな買い物であるだけでなく、お子さまの将来にも大きく影響を与えうるものです。住宅購入を検討する際は、家族間でよく話し合ってみると良いでしょう。また、理想のマイホーム選びができるように、今回ご紹介した「経験者の声」もぜひ参考にしてみてください。

<子どもの教育と住まいに関する調査>

調査会社:株式会社CINC

調査期間:2021年3月~2021年4月

調査対象:子どもがおり、持ち家に住む、22歳以上59歳未満の男女1,000人

調査方法:インターネット

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