フラット35とは?借入時に返済終了までの金利が確定する安心の住宅ローン

1.フラット35の基礎


ここでは長期固定金利型住宅ローンの商品である「フラット35」について、基本的な情報を説明します。

●フラット35とは

民間金融機関と独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」)が提携して提供する住宅ローン商品です。銀行や信用金庫だけでなく、保険会社やモーゲージバンクと言われる住宅ローン専門会社なども扱っています。フラット35には「買取型」と「保証型」がありますが、ここでは特に断りがない限り、「買取型」のフラット35について説明します。

商品名は取扱金融機関で異なり、融資金利・事務取扱手数料・必要書類なども異なります。

フラット35を利用するためには、購入予定の住宅が機構の定める技術基準に適合していることが条件となります。そのために「適合証明機関や適合証明技術者」(建築士等)による住宅の検査を受ける必要があり、その結果「適合」と判断されると「適合証明書」が発行されます。フラット35を利用する際はこの適合証明書が必要になります。機構に登録された一部の既存(中古)マンションは、検査や適合証明書発行手続きが簡素化できるものもあります。

●フラット35の利用要件

・年齢要件:申込時年齢が満70歳未満。完済時年齢が80歳未満。

・借入期間:15年以上35年以内。

・借入額:100万円以上8,000万円まで(1万円単位)で、建設費または購入価額(非住宅部分を除く)以内。

・返済方法:元金均等返済と元利均等返済のいずれかを選択。

・資金使途:申込人本人もしくはその親族が住む新築住宅の建設・購入資金、または中古住宅(マンションを含む)の購入資金で、申込人本人が利用するセカンドハウスにも利用できます。またフラット35を含めた住宅ローンの借換えにも利用できます。

・手数料等:保証人不要。繰上返済手数料も無料。ただし返済額はインターネットサービス「住・My Note」利用の場合は10万円以上、電話申し込みの場合は100万円以上となります。

フラット35には、省エネルギー性や耐震性などが一定基準以上の住宅について、金利引下げが受けられるフラット35Sという商品もあります。

また中古住宅の購入資金とリフォーム工事の資金をまとめて借入れできる「フラット35(リフォーム一体型)」や、若年子育て世帯が住宅を取得する場合などを支援する「フラット35子育て支援型※」、移住者支援・空き家解消支援などを目的とした「フラット35地域活性化型※」など、多くのバリエーションがあります。

※利用できる地方公共団体はフラット35サイトでご確認ください 。

●フラット35(買取型)の仕組み

フラット35は住宅ローン債権の証券化という手法を使って長期固定金利型の住宅ローンを実現したものです。フラット35にはその手法によって「買取型」と「保証型」がありますが、ここでは広く利用されている「買取型」の仕組みについて図解します。

このように、金融機関、住宅金融支援機構、投資家、信託銀行などが関わって、フラット35の仕組みが成り立っています。

●フラット35の利用が向いているかた

フラット35は全期間固定金利の住宅ローンで、借入れの当初から完済(すべて払い終わること)まで借入金利が確定していることが特徴です。したがってあらかじめ総返済額が分かるので将来の負担の見通しが立てやすくなります。

また返済期間中の借入金利の上昇するリスクがありません。金利は国の経済状況などに影響を受けて日々変動しているので、変動金利型の住宅ローンであれば金利上昇局面で返済額が増えることも考えられます。

以上のようにフラット35は返済に対して安心感を得たいと考えるかたなどに向いている住宅ローンだと言えるでしょう。

2.フラット35のメリット・デメリット


ここではフラット35のメリット・デメリットをご説明しますので十分理解したうえでご利用ください。

●メリット

① 返済終了までの借入金利が固定されている。

フラット35は全期間固定金利の住宅ローンで、返済開始から完済まで金利が確定しているため総返済額が把握できることが最大の特徴です。返済期間中に経済状況に変化が生じて市場金利が上昇したとしても、同じ金利で借入れを継続することができます。

② 民間金融機関の住宅ローンと違い保証料や繰上返済手数料が不要

民間金融機関の住宅ローンでは、利用者の返済が滞った場合に備えて保証人(保証会社)を用意するため一般的に保証料が必要になりますが、フラット35は保証会社を利用しないため保証料はかかりません。

また返済期間中の繰上返済についても手数料は不要です。

なお事務取扱手数料の有無については取扱金融機関によって異なります。

③ 返済中は各種サポートが受けられる

フラット35の返済中に利用者に万一のことが起こった場合に備えてさまざまな保険商品が用意されています。

新機構団体信用生命保険は加入者が死亡した場合や、所定の身体障害状態になった場合に、保険金で住宅ローンの残高を完済し、その後の返済がなくなるものです。新3大疾病付機構団信は、死亡・所定の身体障害状態に加え、3大疾病が原因で一定の要件に該当した場合、および公的介護保険制度に定める要介護2から要介護5までのいずれかの状態などになった場合も残りの返済が不要となります。

いずれも加入は任意で、特約料は新機構団信付きの金利が適用され、3大疾病特約付きはさらに金利が0.24%上乗せされます。

デメリット

① 変動金利型よりも総返済額が多くなる可能性がある

一般的に変動金利型と長期固定金利型の金利を同時点で比較すると変動金利型の方が低くなっています。仮に返済開始後の金利変動が最小限にとどまった場合、両者の金利差もほとんど変わることなく変動金利型が低い金利で借り続けられるため、フラット35の総返済額の方が多くなることになります。

近年は超低金利の時代と言われており、長期固定金利型の借入金利も低い状況が続いています。

② 融資率が9割を超えると金利が高くなる

住宅の購入価額に対する融資金の割合を融資率と言います。フラット35の融資率の上限は10割までですが、融資率が9割を超える場合は9割以下の場合よりも高い金利が適用されます。

これを避けるには自己資金(頭金)を購入価額の1割以上用意しておくか、フラット35以外のローン商品で残りの1割を調達する方法があります。

3.多様化するフラット35


2007年10月にスタートしたフラット35(当初の名称は「証券化支援による新型住宅ローン」)は買取型の扱いがほとんどでしたが、最近では保証型も増えています。  

さらに関連する保険商品や付帯サービスも多数提供されています。  商品の種類が多様化する中でフラット35を利用する場合は、広く多くの商品を比較検討して、できるだけ自分に適した商品を選ぶことが大切です。

タイトル

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  • 吉田 貴彦

    ㈱住宅相談センター代表取締役
    立教大学法学部法学科卒。アメリカの不動産業界では一般的である、FPやモーゲージブローカー(住宅ローンコンサルタント)、ホームインスペクター(住宅診断士)などが用いる手法を15年以上前から取り入れて、お客さま側に立った住宅・不動産アドバイスを行っている。
    【保有資格】CFP®(上級ファイナンシャル・プランナー)/公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/神社検定1級


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